エンジェルスの大谷翔平は、今春のオープン戦で二刀流の復活を目指している。2018年に鮮烈なメジャーリーグデビューを飾ったものの、それ以降は怪我に苦しんだ怪物は、投手としては登板すらままならない時期が続き、昨季は打者としても低迷、打率は２割を割り込んだ。

　しかし今季は打って変わって、ここまでの仕上がりは順調だ。現地時間15日時点で、打っては５試合で16打数９安打の打率.563、３本塁打。15日の試合では２打席連続本塁打も放った。投げては２試合で４回を投げ、９三振を奪っている。14日のホワイトソックス戦では5失点と苦しんだものの、ボール自体には力とキレがあり、本人や首脳陣、地元メディアからもポジティブな声が聞かれる。

　そんな大谷が投打両面で残した数字に、MLB公式サイトも注目。「春季トレーニングのスタッツを甘く見るな」と題して、オープン戦で印象的な数字を残した選手たちを取り上げている。ロイヤルズのプロスペクトで、西武のザック・ニールの義弟でもあるボビー・ウィットJr.が放った484フィート（約148メートル）の特大ホームランや、レイズの有望株シェーン・マクラナハンの101マイル（約163キロ）のストレートなど凄まじい記録が並ぶ中で、大谷はホームランの飛距離468フィート（約143メートル）と球速100マイル（約160キロ）という記録が紹介されている。
  　468フィートは、大谷のこれまでの本塁打平均飛距離を20フィート（約６メートル）近く上回っている。ピッチングについても、球速は100マイル近くで安定しており、スプリッターも元の調子に戻ってきていると評価。数字からも二刀流大谷の好調がうかがえる。

　同記事では、大谷の再度の二刀流挑戦に「とても大きな疑念があった」としつつも、「彼はそうした疑念を晴らすための長い道のりをすでに歩んでいる」と現状を評価。まだまだ先は長いが、ここまでの成績が二刀流挑戦に説得力を与えていることを示唆している。

　懸念があるとすればホワイトソックス戦での大量失点についてだが、米メディア『CBS SPORTS』はそれに関して、「大谷に賭けようという監督がいるなら、春季トレーニングの試合での最終結果より、球速や腕の強さに注目する方が賢明だろう」と綴っている。オープン戦はテストと調整の場だが、周囲を納得させる結果があれば、それに越したことはない。異例の挑戦に満を持して臨む大谷には、今後も注目が集まる。

構成●THE DIGEST編集部

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