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二刀流復活を目指す大谷翔平のベストな起用法は? 地元紙が指摘する「避けなければならないシナリオ」

THE DIGEST編集部

2021.03.24

二刀流復活に向けた機運が高まっている大谷。この稀代のスーパースターのベストな起用法とは? (C) Getty Images

 エンジェルスの大谷翔平に熱視線が注がれ続けている。

 現地時間3月23日に行なわれたレンジャーズとのオープン戦に「1番・DH」で出場した大谷は、第2打席に10試合連続となるセンター前ヒットを記録し、オープン戦の打率.600を維持。また、「1番・投手」で先発した2日前のパドレス戦では、打者として18年のサイ・ヤング左腕ブレイク・スネルからヒットを放ち、投げては渡米後最速となる最速101.9マイル(約164キロ)を記録するなど、米球界では105年ぶりとなる"リアル二刀流"として異彩を放った。

 このように、今年のスプリングトレーニングで好調ぶりをアピールし続ける26歳には、地元紙『Los Angels Times』も大きな期待を寄せており、「オオタニは独創的な方法で二刀流を維持している」と銘打ったレポート記事で「日本人の二刀流スターにとって投打の正しいバランスはどこにあるのか?彼の価値を最大限高め、怪我と疲労から守る境界線はどこにあるのだろう」と、その可能性と起用法に迫っている。

「2018年にセンセーショナルな活躍で新人王を取ったオオタニには、打者か、投手かのどちらか一方に専念すべきだという声が相次いでいた。そうした周囲の喧騒は、異彩を放ち始めた今春のオープン戦で再び強まり始めている。それはオオタニのコンディションを気にしての意見だ。しかし、指揮官のジョー・マッドンは頻繁に出場機会を得ようとする本人の意見を尊重したうえで、6人のローテーションで投げさせ、指名打者として打たせようとしている」

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 エンジェルス首脳陣のプランニングを明かした同紙は、「マッドン監督が避けたいはずのシナリオ」についても次のように述べた。

「トミー・ジョン手術を受ける前の1年目の2か月間は、7試合に1回程度の割合で登板し、登板前日か2日前は打席に立たなかった。今年も当時と同じようなスケジュールを組むとするなら、オオタニの打席数は約300打席ほどになってしまう。これはマッドン監督にとっては避けなければならないシナリオになる」

 "打者"大谷の好調を考えれば、300打席は少なすぎる数字だ。同紙によれば、マッドン監督は大谷の起用法について「少なくとも登板試合の前日に休ませることが賢明かもしれない」と慎重な姿勢を示すと同時に「もし登板日の前日、登板日、その翌日の3試合、彼がいないのは我々にとっては良くないことだ。だから、大切なのは今の時期に実験してみること。あとは彼がどう感じるかだ」とも語っているという。

 いまや全世界が注目する大谷翔平の二刀流挑戦。その行方について同紙は「あれだけの打棒を見せている選手を休ませるのは、もどかしいジレンマであると同時に嬉しい悩みでもある」と綴っているが、マッドン監督はいかなる起用法を見出すだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
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