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高校野球

今春のセンバツは背番号2ケタの選手たちが躍動――その理由は、実はコロナ禍にあり

氏原英明

2021.03.28

3対4で迎えた9回裏2死満塁。東海大菅生の代打・多井がライトへ劇的な逆転サヨナラタイムリーを放つ。 写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

3対4で迎えた9回裏2死満塁。東海大菅生の代打・多井がライトへ劇的な逆転サヨナラタイムリーを放つ。 写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 またも2ケタ背番号が結果を出した。

 第93回選抜高校野球大会8日目の第2試合は、東海大菅生が土壇場の9回裏に逆転サヨナラ勝ち。試合を決めたのは、急遽、代打に送られた背番号18の多井耶雲だった。昨秋の都大会ではベンチ入りすらしていなかった選手だ。

 1回戦の聖カナリナ戦でも、先制本塁打を放つ活躍を見せたのは背番号17の鈴木悠平で、彼も昨秋はメンバー外だった。多井によれば、「(控えの選手で)いい争いができている」という。鈴木悠と同じく、多井も冬以降にバットを振り込むことで頭角を現し、年明けの実戦から結果を残して甲子園の舞台に立った。

 多井の持ち味は積極的なバッティングだ。若林弘泰監督によれば「守備走塁はまだまだの選手。代打として期待できるし、困った時にマウンドに上がることもできる」のがベンチ入りの要因だという。“ピンチヒッター”と“ピンチピッチャー”。言わば、ここぞという時に働けるのが持ち味の選手だ。
 
 9回サヨナラの場面、多井は準備をする間もなく打席に立った。その時の心境をこう語っている。

「バタバタして打席に入って緊張感はあったんですけど、自分のモードに入れました。自分が決める気持ちで打席に入りました」

 それにしても、今大会は2ケタ番号の躍動が目立つ。開幕日には仙台育英の背番号15、遠藤太胡が決勝打を放ったし、ベスト8進出を決めている東海大相模では、これまでの2試合で先発した石川永稀と求航太郎の2人がいずれも控え投手。しかも、どちらも公式戦で先発したことがなかったにもかかわらず、絶対的エース・石田隼都を援護する活躍ぶりを見せている。昨年秋の神奈川県大会と関東大会では石田がほとんど1人で投げていたから、2人の台頭がチーム力の向上にどれだけ役立ったかは計り知れない。

 もちろん、過去にもこうしたケースがゼロだったわけではない。しかし今大会は、ほんの数例ではないところが際立っている。東海大相模の門馬敬治監督は、この現象について、新型コロナウイルス感染拡大の影響があると証言している。 
 

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