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高校野球

【センバツ9日目の投打MVP】大会初先発の東海大相模・石田隼都が衝撃の14K完封! “立ち姿がいい”天理の4番が野手MVPに!

西尾典文

2021.03.29

大会初先発の石田(右)が圧巻の完封劇。天理の4番・瀬(左)も素晴らしいスウィングで結果を残した。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

大会初先発の石田(右)が圧巻の完封劇。天理の4番・瀬(左)も素晴らしいスウィングで結果を残した。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 2年ぶりの開催となった選抜高校野球。プロのスカウトも注目する選手が多い中、とりわけ見事な活躍を披露した投手、野手を「その日のMVP」として選出していこう。

 ベスト4が決まった大会9日目は、以下の選手をセレクトした。

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■投手MVP
石田隼都(東海大相模3年):9回、被安打3、0失点、14奪三振、1四球

 ここまでの2試合はいずれもリリーフでの登板だったが、初先発となったこの試合で14奪三振完封とまさにエースの仕事をやってのけた。立ち上がりの1死一二塁のピンチを併殺打で切り抜けると、その後は4イニング連続で三者凡退。序盤に大量リードという展開が追い風になったことは確かだが、これまでの登板と比べても明らかに上手く力が抜けてコントロールが安定し、持ち味であるテンポの良い投球を披露した。

 特に素晴らしかったのがスライダーとチェンジアップの対になる変化球のコンビネーション。しっかり腕を振って低めに集めており、打者にはストレートとなかなか見分けがついていないように見えた。リリーフと先発で違う投球ができるというのも、石田の投手としてのレベルの高さの証明と言えるだろう。
 
■野手MVP
瀬千皓(天理3年/左翼手):5打席5打数3安打3打点

 2回戦までの2試合では、ヒットは出ながらも少し打ち損じが多い印象だったが、この日は3安打3打点と4番に相応しい活躍でチームの勝利に大きく貢献した。第1打席では外角低めの難しいボールに、最後までしっかり目を離さずにセンター前へのタイムリー。第3打席では低めの落ちるボール、第4打席では外に逃げるスライダーといずれも厳しいコースのボールを引っ張って二塁打にしてみせた。

 179㎝と長身というわけではないが、構えた時の姿勢がよく、打席で大きく見える。タイミングをとる動きが小さく、トップの形が安定しており、無駄な動きがなくスムースに振り出せるのは大きな長所だ。それほど強振していないように見えてもヘッドも走っていて、打球の速さも申し分ない。守備と走塁がもうひとつ目立たないのは課題だが、貴重な右の強打者タイプとして今後も注目していきたい選手である。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
 
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