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高校野球

【センバツ決勝投打のMVP】大舞台で光り輝いた“代役2年生”!離脱した主将の穴を深谷謙志郎が完璧に埋める

西尾典文

2021.04.01

2年生とは思えぬ堂々の活躍を見せた求(右)と深谷(左)。今後の相模を背負って立つ存在になりそうだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

2年生とは思えぬ堂々の活躍を見せた求(右)と深谷(左)。今後の相模を背負って立つ存在になりそうだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 2年ぶりの開催となった選抜高校野球。プロのスカウトも注目する選手が多い中、とりわけ見事な活躍を披露した投手、野手を「その日のMVP」として選出していこう。

 最終11日目・決勝戦は、以下の選手をセレクトした。

■投手MVP
求航太郎(東海大相模2年:2回1/3、被安打1、0失点、1奪三振、3四球

 大会トータルで見れば5試合、29回1/3を無失点に抑えた、エース・石田隼都が当然MVPだろう。しかし、決勝戦だけを考えれば、2番手で登板した求の働きが大きかった。
1対1の同点で迎えた4回表、ワンアウト満塁のピンチで登板。犠牲フライで1点は失ったものの、味方の好守備もあってわずか2球でこの場面を切り抜けたことが勝因の一つとなったことは間違いない。続く5回も2つの四球は与えたものの無失点に抑え、その裏には同点のタイムリーツーベースを放つなどバットでも大きく貢献した。

 昨年秋は公式戦での登板がなかった2年生が大舞台でここまで投打に力を発揮したのは驚きである。この経験は自身にとってもチームにとっても夏を考える意味でも非常に大きなものとなったはずだ。
 
■野手MVP
深谷謙志郎(東海大相模2年・遊撃手):4打席3打数1安打1犠打
 
 急性胃腸炎で離脱した主将の大塚瑠晏に代わって準々決勝からショートを任されたが、背番号16の2年生とは思えない好守を連発。5度あった守備機会すべてを難なくさばき、3回には1死一二塁のピンチで見事な併殺を完成させて窮地を救った。

 攻撃面でも9回に先頭打者として絶妙なセーフティバントを決めて出塁。その後、犠打と四球で三塁まで進み、サヨナラのホームを踏んだ。出塁も見事だったが、サヨナラの場面でライナー性の打球に対して慌てることなくしっかりベースに戻る動きを見せていたのは走塁意識の高さの表れである。大塚が卒業した後のショートも安泰と思わせる見事な活躍だった。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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