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プロ野球

【オリ熱コラム2021】「今までやってきたことは間違いじゃない」3被弾した鈴木優を支えた大先輩の助言<SLUGGER>

どら増田

2021.04.12

プロ7年目を迎える鈴木優。昨年は都立高から直接プロ入りした投手では史上初の白星を手にした。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

プロ7年目を迎える鈴木優。昨年は都立高から直接プロ入りした投手では史上初の白星を手にした。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 オリックスの高卒7年目右腕・鈴木優が初の開幕一軍を勝ち取り、中継ぎとして奮闘を続けている。昨年は7月に先発でプロ初勝利を記録したが、この1勝どまり。シーズン終盤からは中嶋聡監督(当時は代行)の意向で救援の適性を見るためにブルペンへ配置転換され、初セーブを記録した。今年のオープン戦でもリリーフでの好投が評価され、初の開幕一軍スタートとなった。

「初勝利・初セーブ・初ホールドと、プロとして大きな一歩を進めた年だったなと思います。自分の武器となるところを出せれば結果は出せると確信できた年でした」

 昨シーズンをこのように振り返った優だが、一方で「ですが、もっとできたなというのが率直な感想です。まだまだ足りないところもたくさん見つかりましたし、そこをこれから修正していきたい」と課題も口にした。

 このオフに取り組んだことは「3つあります」という。「1つ目は球速を上げるための瞬発力の向上です。ジャンプやステップなどで意識してやっています。2つ目は柔軟性です。1年間コンディションを整えるのと、特に下半身の柔軟性を出すためにストレッチなどを日課にしてます。3つ目はカットボールの習得です。イメージは少しだけ芯からズレる早い変化球です。ツーシーム、カットボールと対になる球があれば、さらに投球の幅が広がると思います」。
 
「リリーフはイニングが短いので、一球一球により集中して投げてます。ストライク先行でいければ、いい結果が出るのは分かっているので、そこを目指してやっていきます」とシーズンに臨んだ右腕は、開幕3試合は無失点に抑えたが、4月7日のロッテ戦ではマーティン、安田尚憲、藤岡裕大にホームランを献上しただけでなく、2死球と大きく崩れた。

 昨年までのオリックスならここでファーム降格でもおかしくなかったが、中嶋監督はその適性を考えて一軍に残した。11日、日本ハム戦で9回に登板した優は、2三振を含む三者凡退で打ち取り、その裏の劇的な同点劇を呼び込んだ。

 好投の陰には、彼が尊敬してやまない大先輩からのアドバイスがあった。

「打たれた日に、平野(佳寿)さんに『今日はダメだったかもしれないけど、今までやってきていることは絶対間違いじゃないし、結果も出てるんだから問題ない』と言っていただき、自信を取り戻せました」

 優は以前から背番号16への憧れを抱き、平野が17年オフにメジャー挑戦のため退団した時には「まだまだ教えてもらいたかった」と語っていたほど。リリーフとして数々の修羅場をくぐり抜けてきた平野からのアドバイスが、気持ちを切り替えるきっかけになったことは間違いない。
 
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