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プロ野球

日本シリーズ3連覇を狙うソフトバンクの「強み」と「弱み」。千賀滉大と高橋礼は計算できるが…

藤原彬

2019.10.19

打線につながりが生まれれば、ソフトバンクは無類の強さを発揮するはずだ。写真:徳原隆元

打線につながりが生まれれば、ソフトバンクは無類の強さを発揮するはずだ。写真:徳原隆元

 日本シリーズ進出を決めたソフトバンクだが、シーズンは苦しんでリーグ2位に終わった。

 過去2年、MVP級の活躍を見せた柳田悠岐が4月上旬に左ヒザを痛めて4か月以上も戦線離脱した影響が大きかったのだろう。打線はリーグ最多の183本塁打を放ち、ISO(長打率‐打率).159も西武とほぼ同じでパワーは発揮したが、出塁率.312の低さが原因でリーグ5位の582得点にとどまった。昨季まで5年連続出塁率4割超えの柳田だけではなく、優れた選球眼を誇る中村晃の長期離脱も響いたのだ。逆を言えば、クライマックスシリーズがそうであったように、2人が元気であれば打線の得点力は一段階グレードアップされるだろう。

 投手陣はリーグベストの防御率3.63を残したが、同4位楽天の3.74までは大差なく、強みとまでは言い切れない。チーム最多の13勝を挙げた千賀滉大はリーグ最多の180.1回を投げ、227三振を奪ってタイトルを獲得し、ノーヒットノーラン達成と力を見せつけた。
 
 ただ、千賀以外の先発が怪我にも悩まされ、117試合でクオリティ・スタート41と試合を作れなかった。2年目の高橋礼が12勝を記録するなど新人王候補に挙げられるほど飛躍したが、東浜巨とバンデンハークが2勝ずつのみで、春先から打ち込まれた武田翔太は5月中旬から8月までブルペンに回っている。その分のしわ寄せを受けた救援で、出色の出来と言えるのはモイネロ(防御率1.52)と森唯斗(防御率2.21)ぐらいだ。

 圧倒的な強さで日本一に輝いた2017年当時の主力が年齢と故障を重ね、パワーダウンの傾向にあるのは否めない。ただ、経験値はやはり財産で、日本シリーズのような大一番に強いのも事実だろう。

文●藤原彬

ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。

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