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「ドジャースが世界ナンバーワン」ダルビッシュ有の“古巣絶賛“コメントに地元メディア反応「大好きだ、ユウ。対戦するとき以外はね」

THE DIGEST編集部

2021.04.19

ドジャース戦は0-1で敗れたものの、ダルビッシュは9奪三振を記録する圧巻の投球を見せた。(C)Getty Images

 今はライバルとなった古巣への発言が、話題を呼んでいる。

 パドレスに所属するダルビッシュ有は、現地時間4月17日に行なわれたドジャース戦に先発登板。チームは0−2で敗れたものの、7回を投げて1安打1失点9奪三振と、ディフェンディングチャンピオンを見事に抑え込んだ。

 ジャーナリストのディラン・ヘルナンデス氏によると、試合後ダルビッシュは古巣ドジャースについて「世界でナンバーワンのチーム。積極的で、でも強引じゃない。打つべき球を待っている」と絶賛したという。

 パドレスとドジャースは同地区のライバルということもあって、この発言には両軍のメディアが反応。パドレスのファンでもあるライター、ジェイク・ミセナー氏は『FANSIDED』の記事の中で、「これを"パドレスファンが聞きたくないことファイル"に保存しよう。しかし、それは真実だ。この試合ではドジャースはベストだった」と悔しさをにじませた。

 一方、ドジャース専門メディア『DODGERS NATION』は、かつて在籍したダルビッシュにドジャースファンもリスペクトを持っていると伝えた。一見当然に思えるが、そこには「長く複雑な歴史」があるのだという。
 
 ダルビッシュは2017年シーズン途中にドジャースに加入。4勝を挙げチームの地区優勝に貢献し、ポストシーズンも好投。しかし、迎えたアストロズとのワールドシリーズは、苦い結果に終わった。第3戦では1回2/3を投げて4失点を喫し、勝負の第7戦も2回持たず5失点で降板。「ファンは彼を責めた。批判は激しく、おそらく(シーズン終了後に)彼がカブスとサインした理由のひとつとなった」。

 しかし、転機が訪れる。アストロズのサイン盗みが大々的に報じられると、多彩な変化球を持ち味とするダルビッシュには「大一番でバッターが何が来るかわかっていて、それで打ち込まれたピッチャーを責めることができるだろうか?」などと同情が集まったというのだ。

 そしてダルビッシュは、今季ナ・リーグ西地区に復帰。今やライバルチームの開幕投手となった右腕に対し、現在のドジャースファンは「より静かなリスペクト」を持っているという。同記事は「今は同地区だから、褒め言葉はささやきに留めておくのが一番だ。大好きだよ、ユウ。僕たちと対戦するとき以外はね」という愛のあるメッセージで締め括られている。

 今季初の古巣対戦はドジャースに軍配が上がったものの、「世界ナンバーワン」を1安打に抑え込んだのは大きな手応えとなったことだろう。ダルビッシュ本人も「次の登板もドジャース戦だと思うので、しっかり調整して次は勝ちたいです!」とブログに綴る通り、気合は十分。互いに認め合う当カードには、今後もますます注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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