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MLB

「球界トップの投手から打てるなんて」ダルビッシュから適時二塁打を放ったマリナーズ投手が対戦を回顧「目をつぶって振ったら…」

THE DIGEST編集部

2021.05.24

今季5勝目を挙げたダルビッシュ。殊勲打を放った相手投手のコメントが、その立ち位置を物語っている。(C)Getty Images

今季5勝目を挙げたダルビッシュ。殊勲打を放った相手投手のコメントが、その立ち位置を物語っている。(C)Getty Images

 日本球界最高の投手は伊達じゃない、ということだろう。

 現地時間5月23日、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有は、本拠地で行なわれたシアトル・マリナーズ戦に先発。7回を投げて被安打7、1失点、無四球5奪三振の好投で今季5勝目を挙げた。

 試合後、「身体が元気でなかった」と口にしたように、結果とは別にしてダルビッシュ本来の球威ではなかった。前回17日の登板では今季2度目の2ケタ三振を記録するなど、さすがのドクターKぶりを発揮したが、この日の5奪三振は7回制ダブルヘッダーの試合を除けば今季最少。2回以外は毎回走者を背負うピッチングだった。

 しかし、中盤以降はカッター中心の配球にシフトし、6回は1死一、三塁のピンチとなるも併殺で切り抜け、7回も1死からダブルプレーで無失点と試合をコントロール。防御率をメジャー6位の1.75まで改善させた右腕だが、唯一失点した相手が何と相手投手だった。
 
 パドレス1点リードの5回表、ダルビッシュは先頭打者に二塁打を許すも2死までこぎつけたが、9番の相手先発ジャスティン・ダンに、カウント2-0からライト頭上を越えるタイムリー二塁打を浴びたのだった。もっとも、先の6回のピンチを脱した後に味方打線が爆発して9対2で勝利したわけだが、球場にいた誰もが「まさか」と思ったはずだ。

 チーム唯一の得点を稼いだダンは、実はこれがメジャー初ヒット。試合後にこの一打について訊かれると、「目を閉じて振ったんだ」と笑いながらコメント。「いやまぁ、冗談だけど本当に楽しかったよ」とはダン。そしてこう続けた。

「メジャーの投手から、しかも球界トップの投手から打てるなんて、本当にクールな瞬間だったよ」

 高めに抜けたカッター、かつライトがデーゲームとあって打球の目測を若干誤ったことはあれども、昨季の最多勝投手+サイ・ヤング賞投票2度目の2位となったダルビッシュからあれだけ打球を飛ばしたということは、十分に誇れることだ。

 それは何より、ダン自身の「球界トップの投手」というダルビッシュを形容した言葉が物語っているだろう。今年8月で35歳を迎える天才投手は、もはや今が全盛期ではないかと思えてくる。少なくとも、ここ数年の投球と結果を見れば、これもまた、疑いようのない事実だ。

構成●THE DIGEST編集部
 
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