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「ヨシがロースターに割って入るのは…」ドジャース移籍後も苦戦が続く筒香嘉智。地元紙は故障者リスト入りをどう報じた?

THE DIGEST編集部

2021.06.11

悩める日本の大砲・筒香。故障者リスト入りが逆に浮上のきっかけとなるか、それとも……。(C)Getty Images

 チャンスとなるか、それとも"最後"となるか。

 ロサンゼルス・ドジャースは現地時間6月9日、トニー・ゴンソリンの戦列復帰に伴い、スコット・アレクサンダー(左肩の炎症)を10日間の故障者リストから60日間の故障者リストに移したことと、筒香嘉智(右ふくらはぎ痛)を10日間の故障者リスト(IL)に登録したことを発表した。

 2年契約最終年の筒香にとって、今シーズンは非常に大事な一年だったが、ここまでは期待外れという他ない結果が続いている。タンパベイ・レイズでは26試合で打率.167、出塁率.244、OPS.462、本塁打が1本も出なかったところでDFA(40人ロースターから外す措置)となり、どの球団も手を上げないかと思われた中で、ドジャースに拾われる形となった。

 昨年の世界一軍団ドジャースが筒香を欲したのは相当に驚きだったが、この時、ドジャースは野手の故障者が続出。さらには代役を務めていたDJ・ピータースやシェルドン・ノイジーも打率1割台と不発とあって、筒香に白羽の矢が立ったわけだ。
 
 しかし、移籍後も低空飛行。12試合で31打席に立ったが、打率.120、OPS.410、長打ゼロ本とまったくいいところがない中で、今回のIL入りという形になった。もっとも、指揮官のデーブ・ロバーツは「ヨシが落胆していることは分かっている。だから、この離脱期間が彼にとっていい機会になるはずとメッセージを送ったんだ」と語るなど、まだ加入して日は浅いながらも、新チームに溶け込んでいるようなコメントも出ている。

 そしてロバーツ監督が「いい機会」と評するように、コーチ陣は故障離脱の間に筒香のスウィング改造に挑むという。ドジャースはこれまでも、他球団で活躍できなかった選手の"魔改造"に成功しており、ジャスティン・ターナーやマックス・マンシー、クリス・テイラーは主力として絶対的な地位を築いている。筒香を二匹目のどじょうとして期待しているのは間違いない。

 しかし、地元紙『Dodgers Nation』のクリント・パシーヤス記者は、筒香が十分な打席を与えられていなかったと擁護しつつも、「ヨシが再びアクティブ・ロースターに割って入るのは難しくなるかもしれない」と厳しいコメント。同氏は筒香がスウィング改造に成功できたとしても、ドジャースのロースター陣容はかなり上質とあって、主力が健康状態を保つ状況が続けば、筒香の枠は生まれにくいとの見解のようだ。

 いずれにせよ、筒香ができることは、メジャーレベルにあった打撃改造の他ない。今回の離脱期間を経て成長することを、ドジャースもファンも、そして自らも信じているはずである。

構成●THE DIGEST編集部

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