驚異の日本人スラッガーに、百戦錬磨の智将も賛辞を贈るほかなかった。

　現地時間６月18日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、本拠地で行なわれたデトロイト・タイガース戦に「２番・DH」で先発出場。５回の第３打席に20号２ラン、８回に21号のソロアーチを放って、自身２年ぶりとなるマルチ本塁打の大活躍を見せた。
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　リアル二刀流を見事に務め上げ、今季３勝目を挙げた前日に続く圧倒的なパフォーマンスだ。2004年に松井秀喜が記録した日本人最多本数（31）の更新は間違いなし、と現地メディアも太鼓判を押す。地元放送局『Bally Sports West』に至っては、「いまの調子を考えれば、シーズン46本塁打、114打点、25盗塁は堅い」と断言するほどである。

　まるで漫画の世界で目にしていたような、文字通りの“ありえないプレー”を披露する大谷には、対策を講じる敵将も感嘆するしかない。18日の試合後、タイガースの地元紙『Detroit Free Press』の取材に応じたAJ・ヒンチ監督は、こう漏らした。

「彼は引っ張っても、逆方向でも、ホームランを打てる。とてもダイナミックな打者で、テレビで必見の選手だ。昨日もそうだったが、彼に対する観客の熱気を感じることができるね」
  　現在46歳のヒンチ監督、現役時代に捕手としてプレーした経験を持つ球界屈指の智将。17年のサイン盗み事件で、アストロズを追われたが、その手腕は折り紙付きである。そんな頭脳派指揮官は、さらに手放しで26歳のサムライ戦士を褒め称えた。

「間違いなくいまの野球界であれば、世界最高レベルで注目に値する選手だよ。ホームラン・ダービーにも出るんだろ？ それは私も見たいから間違いなくテレビのチャンネルを合わせるよ（笑）。きっとたくさんのファンがテレビに釘付けになるだろうね。それがどれだけ素晴らしいことか。私は彼の活躍をあらゆる切り口で讃えてきたが、最近は、そのインパクトがますます実感できるようになっている」

　開幕から傑出した存在感を放ち続ける大谷は、2001年のイチロー以来となる「日本人・シーズンMVP」の可能性も囁かれる。現在の好調ぶりからは、その快挙すらも楽々と成し遂げてしまいそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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