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MLB

「罰則があるべきだ」大投手カーショウが怒りの提言! シャーザーが相手監督の要求で粘着物質チェックをされ…

THE DIGEST編集部

2021.06.24

シャーザー(右)に

シャーザー(右)に"横暴"な形で捜査のメスが入り、カーショウ(左)も憤りの表情を隠し切れなかった。(C)Getty Images

 まさに“混沌”といった表現が適切だろうか。

 MLB機構は現地時間6月21日から、投手が粘着物質を使用していないか審判団がチェックする新ルールを導入した。先発投手は少なくとも1回は確認され、リリーフ投手もイニング終了時か降板時に行われる。導入初日、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が2度も“捜査”されたことで、普段MLBに馴染みのない人の中も、その光景を目にしたかもしれない。

 そして実施2日目、早くも議論紛糾の“越権行為”が行なわれて物議を醸している。

 フィラデルフィア・フィリーズ対ワシントン・ナショナルズの一戦、ナショナルズ先発のマックス・シャーザーが1試合で3度、しかもイニングの途中でチェックを受ける一件があった。さらに、これを含めて2回は敵軍監督のジョー・ジラルディの要請で行なわれたもので、さすがのサイ・ヤング賞3回の右腕も憤慨。寄って来た審判団に対して、帽子とグラブを地面に放り投げ、ズボンのベルトを外しながらこう叫んだ。

「調べたいなら着ているものすべて脱ぐ。何もないから」
 
 潔白を3度も証明し、あらぬ疑いをかけられた右腕はこのイニングが終わると、相手ベンチにいるジラルディ監督の方を無言で見つめながらマウンドを後にした。すると、同監督が“逆ギレ”してシャーザーに詰め寄ろうとし、退場処分に発展する事態となった。

 ジラルディ監督いわく、シャーザーが何度も髪の毛の汗をボールに付けているとしてチェックを要求したとのことだが、審判団は髪に汗以外のものを確認できなかった。

 結局、5回2安打1失点8奪三振で勝利投手となったシャーザー。試合後、憤った様子で「これが(コミッショナーのロブ・)マンフレッド・ルールだ。何がやりたいのか、彼に訊いてくれ。俺はもうずっと言ってきた」とコメント。

 また同日、同じくサイ・ヤング賞3回のクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)も登板ていたのだが、件のシーンを見た感想を求められると、新ルールへ“納得”の提言を行った。

「もし何も見つけられなかったら、監督には罰則があるべきだ」とカーショウ。その一例として、チャレンジの権利を一つ失うといった制約の必要性を訴えた。このままでは、何のリスクもなしに、相手投手の流れを阻害することができるという意見だった。

 最強左腕の言う通り、現状のルールのままでは、明らかに「言ったもん勝ち」の感は否めない。しかも、コミッショナーのマンフレッドは就任当時から試合時間の短縮を旗印に活動してきた。にもかかわらず、今回のルール導入は明らかにそれと逆行するもの。こうした点も、選手たちの不満を増長させている要因となっている。

 今回の新ルールは随時改良を加えていくそうだが、早くも見つけた“欠陥”にどう対処するのか。MLB機構とマンフレッドの手腕が試されそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】シャーザーも激昂! イニング途中に捜査されてグラブを投げつけ…
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