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プロ野球

プロ顔負けの打撃練習、そして宮田和希コーチの「優しさ」――ライオンズアカデミー飯能校の“魅力”

SLUGGER編集部

2021.06.29

飯能市民球場にて、自作のテキストを笑顔で掲げる宮田コーチ。図の多い形式や柔らかな文体から優しさが伝わってくる。写真:球団提供

飯能市民球場にて、自作のテキストを笑顔で掲げる宮田コーチ。図の多い形式や柔らかな文体から優しさが伝わってくる。写真:球団提供

 埼玉西武ライオンズが開講する野球スクール、ライオンズアカデミー。球団OBがコーチを務め、プロ野球選手時代に培ったスキルと知識を活かした指導を提供する同校は、今年で10年目を迎える。

 今年は髙橋朋己、水口大地が講師として加入し、さらにバラエティ豊富になったこのアカデミーは、メットライフドームに隣接する室内練習場「ライオンズトレーニングセンター」の他、大宮、狭山、朝霞、そして飯能と、埼玉県内の全5か所で行なわれている。なかでも、その環境も相まって異彩を放っているのが「飯能校」だ。

 昨年設立し、まだ生まれて間もない飯能校でメイン講師を務めるのは、2016年まで西武でリリーフ左腕として活躍した宮田和希コーチ。飯能校の“本拠地”は、埼玉県の飯能市民球場だが、宮田コーチは緑に囲まれた球場を見ながら、「このような開放的な雰囲気もきっと、子どもたちがのびのび野球を楽しむことを手伝っていると思います」と太鼓判を押す。

 ライオンズアカデミーは小学生が学校終わりに参加できるよう夜帯に行なわれているが、コーチたちの指導のもと、照明に照らされた子ども達が無邪気に野球を楽しむ姿が印象的だ。地元飯能の小学生ばかりではなく、比較的アクセスの良い東京都青梅市方面から指導を受けに来る子どもたちもいるという。
 
 両翼92m、中堅120mの屋外球場という環境をフル活用した宮田コーチ発案の練習メニューも光る。「打席ではマシン打撃を行いながら、その周りではティー打撃を2ヵ所、ロングティーを2か所、計5か所で同時にバッティング練習をやっています。ライオンズの一軍選手が試合前に行なう練習とほとんど一緒ですね(笑)」。長い時間、順番待ちをすることもなく、打球音が常に響き渡っている。レッスンの終盤に行われるノックでは、全力で高いフライを打ち上げるコーチたち。これも天井を気にしなくていいからこそだ。

 宮田コーチはアカデミーの合間、事務所でパソコンと向き合うこともしばしば。まだ野球を始めて間もない子どもたちやその保護者に対し、野球のルールを分かりやすく理解してもらえるよう、自作のテキスト作りに奮闘している。「これで少しでも野球を分かってくれれば嬉しいです」と控えめに笑う宮田コーチだが、テキストに登場するすべての漢字にふりがなが振られており、さらにたくさんのイラストが散りばめられているところに、優しさも感じられる。

 野球に馴染みのない子どもたちでも、安心して飛び込むことができるライオンズアカデミーの飯能校。一人でも多くの子どもたちに野球を好きになってもらい、野球を通じて成長してもらいたいー。そのために今日も宮田コーチは、入念に準備を行なう。

構成●SLUGGER編集部

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