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「誰にもできないことを実行する能力がある」ベーブ・ルースの伝記作家も大谷翔平を大絶賛!

SLUGGER編集部

2021.06.29

大谷が現在のメジャーで巻き起こしているフィーバーは、ルースやマントル、ジョー・ディマジオといったヤンキースの歴代スターたちにも決して劣りはしないはずだ。(C)Getty Images

大谷が現在のメジャーで巻き起こしているフィーバーは、ルースやマントル、ジョー・ディマジオといったヤンキースの歴代スターたちにも決して劣りはしないはずだ。(C)Getty Images

 現地時間6月28日にヤンキー・スタジアムで行なわれたヤンキース戦で、大谷翔平が第1打席で自己最速117.2マイル(約188.6キロ)の打球をライトスタンド中段に叩き込んだ。ベーブ・ルースが所属したヤンキース相手に、しかも、かつて「ルースが建てた家」と呼ばれた初代ヤンキー・スタジアム(今の球場は2代目)の流れを汲む球場で放たれたこの一発に、特別な意味を感じた人も多いだろう。

 今季の“大谷旋風”は、ヤンキースの側からも大いに注目されている。地元紙『ニューヨーク・ポスト』は、試合に先駆けて大谷とルース、そしてヤンキースで活躍したレジェンドらを比較する特集を掲載。記事の中では、大谷がメジャーデビューしたのと同じ2018年に、ルースの伝記『The Big Fella:Babe Ruth and the World He Created』を上梓した作家ジェーン・リーヴィの談話も引用されている。

 リーヴィによれば、「ルースは“二刀流”だった時も、明らかに外野手をやりたがっていた」という。ルースはもともと投手専任だったが、レッドソックス時代の外野手が必要なチーム事情を受け、普段は外野を守り、必要な時にマウンドに上がる起用法に変わった。

 だが、ルースは徐々に外野を守ることの方を好むようになり、二刀流起用を「やりたがっていたようには思えない」とレヴィは述べている。メジャーの歴史に名高いルースのホームラン・フィーバーが始まるのは、確かに彼がほぼ外野専門になってからだった。
 
 その一方で大谷は、「NPB時代からずっと二刀流起用にこだわりを持ってプレーしている」と述べられている。今季すでに8度も経験している「2番・投手」での先発も起用もその現れだ。少なくとも、二刀流に関するルースと大谷のスタンスには大きな違いがあることが、記事では強調されている。

 また、リーヴィは10年にルースと同じくヤンキースで活躍したスーパースター、ミッキー・マントルの伝記も出版していて、記事の中では大谷とマントルのことも比較している。1950年代に4度の本塁打王を獲得したマントルは、誰よりも遠くに打球を飛ばすパワーとともに、俊足と強肩も兼ね備えた史上最高の万能選手の一人だった。彼女はそのオールラウンダーぶりを「“神経筋の天才”だった」と、独自の言葉で表現している。

 リーヴィいわく「“神経筋の天才”は、生理学的な技術だけではない。他の誰にもできないことを実行する能力だ」という。それを備えていたマントルは、故障によって前十字靭帯が断裂しながらも、その状態で17年間プレーし続けていた可能性すらあるという。そして彼女は最後にこう付け加えている。「大谷もそうかもしれない」。確かにこれまでの大谷の神がかった活躍は、何か特別なものを持っているとしか思えないほどだ。

 大谷はこれまで何度も、メジャーの歴史上の偉人を呼び起こしてきたが、同時にそろそろ彼自身も歴史上に特筆すべき人物になりつつある。同記事は「将来、彼に似た人物が大谷に例えられることを光栄に思うことは明らかだ」と締めくくられているが、ルースと大谷の間には100年近い隔たりがある。果たして大谷に匹敵する選手が現れるのは、いったいどのくらい先のことになるだろうか?

構成●SLUGGER編集部

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