かつてイチローら数多の日本人選手たちがファンを熱狂させた球場で、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が異彩を放った。
現地時間7月9日、敵地でのシアトル・マリナーズ戦に「2番・DH」で先発出場。7日に行なわれたボストン・レッドソックス戦に続く、今季33本目のホームランを打ち込んだ。
【動画】月まで行った超特大アーチ! マリナーズ戦で放った大谷の最新HRはこちら
シアトルのファンも騒然とさせた圧巻の一発が飛び出したのは、3回の第2打席だった。相手先発のマルコ・ゴンザレスがカウント1-2からインコースに投じた88マイル(約143.7キロ)のシンカーをジャストミート。初速116.5マイル(約187.48キロ)で飛んでいった打球は、西日に照らされたライトスタンドの4階席にまで到達した。
7月に入ってからの7戦で驚きの5発目だ。もはや"本塁打製造機"と化し、敵地のファンからも「MVP」の合唱が巻き起こる大谷は、外国人選手が前半戦で放った本塁打数でサミー・ソーサ(シカゴ・カブス)の記録に並んだ。その傑出したパフォーマンスに、周囲の熱量も増すばかりである。
連日のように期待以上の娯楽を提供する大谷には、敵将も脱帽だ。マリナーズのスコット・サーバイス監督は、この3連戦に向けた会見において「非常に才能のある選手だ」と大谷を持ち上げていた。
「試合に出ている人も周囲にいる人びとも、オオタニのことを本当に、本当に高く評価している。打つだけでなく、先発投手としても活躍しているんだからね。非常に才能のある選手なのは言うまでもないよ」
かく言うサーバイスは2011年から約4年間、エンジェルスでGM補佐を務め、15年にマリナーズのGMに転身するなど、フロントでの要職を歴任してきた実績を持つ。そんな53歳の智将が、シアトルの地元紙『Seatlle Times』の取材に応じ、大谷獲得に迫っていた過去を明かしている。
「実は我々もオオタニをスカウトはしていたんだ。私はそのプロセスに深く関係していたから彼の良いところはよく理解している。マリナーズには、多くの日本人選手の成功例があったから、優先順位は高かったよ。実際に獲得に向けて球団として一丸になっていたし、ありとあらゆる手を尽くした。結果として残念ながら現実とはならなかったが、あの時の話し合いやプロセスを通して学ぶことは多かったよ」
大谷がメジャー挑戦を叶えた2018年は、奇しくもイチローが6年ぶりにマリナーズ復帰を果たした年でもある。もしも、当時23歳の日本人スラッガーがシアトル入りを決断していれば、日本球界が誇る"偉才コンビ"の共演を実現していたかもしれない。少なくともサーバイスらマリナーズのフロント陣は、それを夢見ていたに違いない。
構成●THE DIGEST編集部
【PHOTO】世界が驚嘆する偉才・大谷翔平のキャリアを厳選ショットで一挙公開!花巻東、日ハム、エンジェルスでの活躍を振り返る
現地時間7月9日、敵地でのシアトル・マリナーズ戦に「2番・DH」で先発出場。7日に行なわれたボストン・レッドソックス戦に続く、今季33本目のホームランを打ち込んだ。
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シアトルのファンも騒然とさせた圧巻の一発が飛び出したのは、3回の第2打席だった。相手先発のマルコ・ゴンザレスがカウント1-2からインコースに投じた88マイル(約143.7キロ)のシンカーをジャストミート。初速116.5マイル(約187.48キロ)で飛んでいった打球は、西日に照らされたライトスタンドの4階席にまで到達した。
7月に入ってからの7戦で驚きの5発目だ。もはや"本塁打製造機"と化し、敵地のファンからも「MVP」の合唱が巻き起こる大谷は、外国人選手が前半戦で放った本塁打数でサミー・ソーサ(シカゴ・カブス)の記録に並んだ。その傑出したパフォーマンスに、周囲の熱量も増すばかりである。
連日のように期待以上の娯楽を提供する大谷には、敵将も脱帽だ。マリナーズのスコット・サーバイス監督は、この3連戦に向けた会見において「非常に才能のある選手だ」と大谷を持ち上げていた。
「試合に出ている人も周囲にいる人びとも、オオタニのことを本当に、本当に高く評価している。打つだけでなく、先発投手としても活躍しているんだからね。非常に才能のある選手なのは言うまでもないよ」
かく言うサーバイスは2011年から約4年間、エンジェルスでGM補佐を務め、15年にマリナーズのGMに転身するなど、フロントでの要職を歴任してきた実績を持つ。そんな53歳の智将が、シアトルの地元紙『Seatlle Times』の取材に応じ、大谷獲得に迫っていた過去を明かしている。
「実は我々もオオタニをスカウトはしていたんだ。私はそのプロセスに深く関係していたから彼の良いところはよく理解している。マリナーズには、多くの日本人選手の成功例があったから、優先順位は高かったよ。実際に獲得に向けて球団として一丸になっていたし、ありとあらゆる手を尽くした。結果として残念ながら現実とはならなかったが、あの時の話し合いやプロセスを通して学ぶことは多かったよ」
大谷がメジャー挑戦を叶えた2018年は、奇しくもイチローが6年ぶりにマリナーズ復帰を果たした年でもある。もしも、当時23歳の日本人スラッガーがシアトル入りを決断していれば、日本球界が誇る"偉才コンビ"の共演を実現していたかもしれない。少なくともサーバイスらマリナーズのフロント陣は、それを夢見ていたに違いない。
構成●THE DIGEST編集部
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