今年のメジャーリーグにおいて、圧倒的な存在感を放っているのは間違いなく大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。前半戦MVPを選出するならば、事実上、"野球の神様"ベーブ・ルース以来100年ぶりとなる二刀流としての活躍を続ける彼以外にあり得ないだろう。
とくに特筆すべきなのがバッティングだ。ご存知の通り、大谷は前半戦を両リーグトップとなる33本塁打で折り返し、年間60本ペースで打ちまくっている。
もっとも、彼の打撃がいかに優れているのかを語るのに、本塁打数だけでは不十分。そこで、さまざまなデータからその傑出度を掘り下げてみようと思う。
――◆―――◆――
今季の大谷のバッティングには、具体的にどんな面で変化があったのだろうか。簡潔に言うならば、「本塁打と長打を打つための最適解と言えるスウイング」を身に着けたと言える。
それを示すのが、日本ですっかり聞き馴染みとなった「打球速度」だ。大谷は、メジャー1年目も両リーグ10位の平均92.9マイル、2年目も9位の92.8マイルと優秀だった。しかし、今季はさらに6位の93.7マイルへと向上している。4月12日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦では、本塁打ではないけれども自己最速を3.9マイルも更新する119.0マイルの二塁打も記録した。
MLBが2015年に計測開始して以来、打球速度119.0マイル以上を記録したのは、ニューヨーク・ヤンキースが誇る長距離砲ジャンカルロ・スタントン、アーロン・ジャッジ、ゲリー・サンチェスの3人に、ネルソン・クルーズ(ミネソタ・ツインズ)を加えた4人しかいない。この時点でもパワーの開花を予感させていたわけだが、この一打にとどまらず、安定して高速打球を飛ばしているのはさすがと言える。
本塁打量産には「マインドの変化」もあったのだろう。それは「打球角度」と「打球方向」からも伺え、打球角度は2年目の平均6.8度から3倍近くとなる17.8度まで上昇。角度をつける、つまり本塁打狙いのスウイングに変更しているのは明らかだ。
とくに特筆すべきなのがバッティングだ。ご存知の通り、大谷は前半戦を両リーグトップとなる33本塁打で折り返し、年間60本ペースで打ちまくっている。
もっとも、彼の打撃がいかに優れているのかを語るのに、本塁打数だけでは不十分。そこで、さまざまなデータからその傑出度を掘り下げてみようと思う。
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今季の大谷のバッティングには、具体的にどんな面で変化があったのだろうか。簡潔に言うならば、「本塁打と長打を打つための最適解と言えるスウイング」を身に着けたと言える。
それを示すのが、日本ですっかり聞き馴染みとなった「打球速度」だ。大谷は、メジャー1年目も両リーグ10位の平均92.9マイル、2年目も9位の92.8マイルと優秀だった。しかし、今季はさらに6位の93.7マイルへと向上している。4月12日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦では、本塁打ではないけれども自己最速を3.9マイルも更新する119.0マイルの二塁打も記録した。
MLBが2015年に計測開始して以来、打球速度119.0マイル以上を記録したのは、ニューヨーク・ヤンキースが誇る長距離砲ジャンカルロ・スタントン、アーロン・ジャッジ、ゲリー・サンチェスの3人に、ネルソン・クルーズ(ミネソタ・ツインズ)を加えた4人しかいない。この時点でもパワーの開花を予感させていたわけだが、この一打にとどまらず、安定して高速打球を飛ばしているのはさすがと言える。
本塁打量産には「マインドの変化」もあったのだろう。それは「打球角度」と「打球方向」からも伺え、打球角度は2年目の平均6.8度から3倍近くとなる17.8度まで上昇。角度をつける、つまり本塁打狙いのスウイングに変更しているのは明らかだ。