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稲葉監督に「打っていいですか?」。甲斐拓也が明かした劇的なサヨナラ打の舞台裏「金メダルを取るために」【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.08.03

初球打ちで見事なサヨナラ打。最高の場面で最高の仕事をこなした甲斐。(C)Getty Images

初球打ちで見事なサヨナラ打。最高の場面で最高の仕事をこなした甲斐。(C)Getty Images

 一振りで決めた。タイブレークに突入した10回1死二、三塁の場面で、甲斐拓也(ソフトバンク)は初球を振り抜いた。逆方向へ飛んだ打球はライトの頭上を越え、フェンスを直撃。激戦にピリオドを打った彼を中心に、侍ジャパンに歓喜の輪が広がった。

「何とか初球から振りにいこうという結果」と殊勲者は振り返った。この回、まずは最初に打席に入った代打の栗原陵矢(ソフトバンク)が、初球で送りバントを決めてサヨナラの走者を三塁へ進める。すると、アメリカのマイク・ソーシア監督がマウンドを訪れ、外野手1人が前進して内野手5人シフトが敷かれた。

「色々と考えられる状況だったので、一度頭の整理をして」から稲葉篤紀監督には「打っていいですか?」と尋ねたと言う。「打っていいよ」と返事を得た甲斐は「しっかり頭を整理した状態」で打席に入り、劇的な一打を放った。
 
 オリンピックで日本はアメリカに3連敗中だったが、1996年のアトランタ大会以来25年ぶりに勝利。特にアメリカとの対戦がタイブレークに突入するのは北京五輪以来2度目で、この時は敗れただけに、甲斐が“呪縛”を解き放った意味は大きい。甲斐は今大会、開幕戦でも9回に同点に追いつくスクイズをきっちり決め、2試合目にも同点タイムリーを放つなど、重要な場面で仕事を果たしている。

 毎回着実に仕事をこなす甲斐は、侍ジャパンを勝利に導く“ラッキーボーイ”になった感があるが、「金メダルしか目指していない」と慢心はない。侍ジャパンの扇の要は「まだ試合があるのでしっかり切り替えて、そこに向けてしっかり準備していきたい」と、あくまで次の戦いを見据えていた。

構成●THE DIGEST編集部

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