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本塁打王を争うゲレーロJr.を負かした大谷翔平、103年前に“タイ・カッブ斬り”をした偉才の記録を呼び起こす!

THE DIGEST編集部

2021.08.13

今季13度目のリアル二刀流で7勝目を挙げた大谷。その出色のパフォーマンスが、ふたたび眠っていた記録を呼び覚ました。(C)Getty Images

 リーグを代表するスラッガーの対決にファンも熱狂した。

 現地時間8月12日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、本拠地で行なわれたトロント・ブルージェイズ戦に「1番・投手」で先発登板。6回(99球)3安打2失点6奪三振の好投で今季7勝目を手にした。

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 この試合で注目を集めていたのは、大谷とブルージェイズの主砲ブラディミール・ゲレーロJr.の"一騎打ち"だ。前日の会見でエンジェルスのジョー・マッドン監督に「私のメッセージは『見逃すな』だ。100年に一度の対決になる」と言わせた両雄のマッチアップは、初回からファンの大歓声を呼び起こした。

 最初の対戦はゲレーロJr.に軍配が上がった。1回表2死無塁の場面で対峙した大谷は、初球に外角低めへカットボールを投じるのだが、それをものの見事にレフト前に弾き返されたのだ。

 しかし、すぐにリベンジの機会はやってくる。4回1死二塁のピンチで2度目の対戦を迎えた大谷は、内外に巧みにボールを散らして相手を翻弄。そしてカウント2-2からアウトコース低めに85.1マイル(約136.9キロ)のスライダーを投じると、ゲレーロJr.のバットは空を切った。
 
 3度目の対決はフルカウントまで追い込んだ末に四球に終わったものの、天才スラッガーによる直接対決は、現地識者の間でも大きな話題を呼んでいる。地元紙『LA Times』のジャック・ハリス記者が「MLBの本塁打王が2位のバッターを三振に打ち取った」と記せば、米メディア『The Athletic』などで執筆していたブレント・マグワイア記者も「オオタニはブラディミール・ゲレーロJr.を三振で打ち負かした」と絶賛した。

 ライバルと激闘を繰り広げた大谷には、興味深いデータも浮かび上がっている。本塁打王ランキングの上位2人が過去に対決したのは史上3度目なのだが、米放送局『ESPN』のサラ・ラングス記者によれば、1番打者として先発した選手がピッチャーとして勝利を挙げたのは、1918年8月19日のチャーリー・ジェイミーソン(フィラデルフィア・アスレティックス※現オークランド)以来の快挙だ。ちなみこの時のジェイミーソンは、「1番・ライト」として先発して7回からリリーフ。球史に残る大打者タイ・カッブから三振を奪う好投を見せたという。

 またしても、メジャーリーグの歴史を掘り起こした大谷。ベーブ・ルース以来、誰も成し得ていないシーズン二桁勝利&二桁本塁打に3勝と迫る天才のパフォーマンスから、ますます目が離せなくなっている。

構成●THE DIGEST編集部

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