高校野球

【甲子園8日目投打MVP】8回2死まで完全試合の渡辺翔真、強力“モリフ”打線4番・小針遼悟のクラッチ力を評価

THE DIGEST編集部

2021.08.22

盛岡大附のエースと4番の活躍度はさすがの一言だった。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

2年ぶりの開催となった夏の甲子園。プロのスカウトも注目する選手も多いが、その中でも見事な活躍を見せた投手、野手を毎日その日のMVPとして選出する。大会第9日目は以下の選手となった。

■投手MVP
渡辺翔真(盛岡大付3年):9回 被安打1 0失点 9奪三振 1四球

 8回ツーアウトまでパーフェクトと、夏の甲子園史上初の大記録達成も予感させるピッチングで文句なしのMVPに選出した。この日のストレートの最速は140キロで、アベレージは130キロ台中盤と決してスピードがあるわけではないが、そのストレートを右打者に対しても左打者に対しても胸元に思い切って投げ込むことで、外の変化球に対する踏み込みを最後まで許すことがなかった。緩いカーブで緩急をつけ、スライダー、フォークの決め球も低めに集めるコントロールは見事。

 相手先発の當山渚も好投手で、終盤まで息詰まる投手戦となったが、最後まで集中力を切らすことなく投げ切った。強力打線が持ち味のチームだが、渡辺がこの日のような調子を維持することができれば、上位進出の可能性も高くなるだろう。
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■野手MVP
小針遼悟(盛岡大付3年/4番・右翼手):4打席4打数3安打1本塁打2打点

 4打数4安打と大当たりだったチームメイトの松本龍哉と最後まで迷ったが、勝利に直結する打点を叩き出したということで4番の小針を選んだ。0対0で迎えた4回裏に先制タイムリーとなるレフト前ヒットを放つと、続く打席では外のボールをさらわずにライト線へツーベース。長打にするには微妙な打球だったが、迷わずに二塁を陥れた走塁も光った。そして2点リードで迎えた8回裏には試合を決定づけるホームランをレフトスタンドへ叩き込み、4番としての役割を完璧に果たしてみせた。

  高校生離れした体格とパワーが持ち味だが、ホームランにしたボールは低めの難しい変化球をとらえたもので、対応力も決して低くない。松本と3番の金子京介に注目が集まるが、その後ろを打つ存在として次戦以降も相手チームにとっては脅威の存在となりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部
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