電光石火の先制パンチだった。
8月29日に行なわれた第103回全国高等学校野球選手権大会決勝、智弁和歌山と智弁学園の対決は、智弁和歌山が1番・宮坂厚希からの連打で好機を作って4点を先取。準決勝に続くいきなりの果敢な攻撃で相手を圧倒し、9対2で智弁学園を下して、21年ぶりとなる3度目の頂点に立った。
大会前の下馬評では、プロ注目のスラッガー・前川右京らを擁する智弁学園の打線が優位だったはずだ。では、智弁和歌山打線はなぜ先制パンチを浴びせ、智弁学園を圧倒することができたのだろうか。選手個々の力量があるのはもちろん、それと同時にチームとしての徹底事項がこの結果を呼び込んだのだと感じずにはいられなかった。
「生徒たちが自分たちで考えてやった結果です」
一見、手の内を明かさない言葉にも聞こえるが、智弁和歌山の指揮官・中谷仁の言葉にこそ、智弁和歌山打線の強みはある。中谷監督が常日頃から選手に求めているのは選手たちが自分自身で考える習慣なのだ。
「自分の中での基準を持てという話をしますね。この日の投手は変化球を待っていても真っすぐを打てるレベルのなのか。あるいは違う日に対戦する投手は『あかん、この投手なら、スライダー一本で勝負にいかないといけない』とか。物差しを測ってやれるかどうかがプレーヤーとして大事なことなんです」
これから対戦する投手について、大人である指導者が対策を伝えることは可能だ。しかし、それを打席に入る前からしっかりと準備し、また、打席の中でどうアプローチしていくのかは本人の感覚でしかない。考える習慣を常に持っているのが智弁和歌山の打線の強さだ。
宮坂は言う。
「特に球種を決めて打席に立っていたわけではありません。ボールが浮いてきたらそれを狙おうとそれだけを考えて打席に入りました」
中谷監督曰く、宮坂はもともと「芯に当てる技術に長けている」そうである。「あの球を打ちなさい」ではなく、自身がどうやれば打てるかを日頃から習慣づけているからこそ結果につながるということだろう。
8月29日に行なわれた第103回全国高等学校野球選手権大会決勝、智弁和歌山と智弁学園の対決は、智弁和歌山が1番・宮坂厚希からの連打で好機を作って4点を先取。準決勝に続くいきなりの果敢な攻撃で相手を圧倒し、9対2で智弁学園を下して、21年ぶりとなる3度目の頂点に立った。
大会前の下馬評では、プロ注目のスラッガー・前川右京らを擁する智弁学園の打線が優位だったはずだ。では、智弁和歌山打線はなぜ先制パンチを浴びせ、智弁学園を圧倒することができたのだろうか。選手個々の力量があるのはもちろん、それと同時にチームとしての徹底事項がこの結果を呼び込んだのだと感じずにはいられなかった。
「生徒たちが自分たちで考えてやった結果です」
一見、手の内を明かさない言葉にも聞こえるが、智弁和歌山の指揮官・中谷仁の言葉にこそ、智弁和歌山打線の強みはある。中谷監督が常日頃から選手に求めているのは選手たちが自分自身で考える習慣なのだ。
「自分の中での基準を持てという話をしますね。この日の投手は変化球を待っていても真っすぐを打てるレベルのなのか。あるいは違う日に対戦する投手は『あかん、この投手なら、スライダー一本で勝負にいかないといけない』とか。物差しを測ってやれるかどうかがプレーヤーとして大事なことなんです」
これから対戦する投手について、大人である指導者が対策を伝えることは可能だ。しかし、それを打席に入る前からしっかりと準備し、また、打席の中でどうアプローチしていくのかは本人の感覚でしかない。考える習慣を常に持っているのが智弁和歌山の打線の強さだ。
宮坂は言う。
「特に球種を決めて打席に立っていたわけではありません。ボールが浮いてきたらそれを狙おうとそれだけを考えて打席に入りました」
中谷監督曰く、宮坂はもともと「芯に当てる技術に長けている」そうである。「あの球を打ちなさい」ではなく、自身がどうやれば打てるかを日頃から習慣づけているからこそ結果につながるということだろう。