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MLB5位のOPS1.098!筒香嘉智はパイレーツ移籍後に“怪物打者”へ変貌

THE DIGEST編集部

2021.09.22

パイレーツ加入後の成績は球界屈指のバッターになった筒香。驚異のOPSが持つ意味とは。(C)Getty Images

"ハマの大砲"が"ピッツバーグの大砲"へと変貌している。

 ピッツバーグ・パイレーツの筒香嘉智は現地時間9月20日、敵地で行なわれたシンシナティ・レッズ戦で今季第8号本塁打を放った。これでメジャー1年目の昨季に並ぶ本数となり、残り試合での更新にも期待がかかっている。

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 ご存じの通り、筒香は8月のパイレーツ移籍前までキャリアの瀬戸際に立たされていた。タンパベイ・レイズではチーム2番目の高給取りながらもまったく結果が出せず、87打席で打率.167、0本塁打となって事実上の解雇処分に。その後、ロサンゼルス・ドジャースに移籍したものの、12試合で打率.120、長打0本で6月5日にマイナー降格となった。
 
 しかし、3Aでフォームを一から見直すと、日本時代のような打棒がよみがえり、再建中のパイレーツからお声がかかって8月16日にメジャー再昇格。新天地でのデビュー戦は古巣ドジャース戦だったが、在籍時には1本も打てなかった長打を初打席でマーク(二塁打)すると、移籍後4試合目・今季42試合目にして待望の第1号本塁打も記録した。

 翌日にも2試合連続アーチを放つなど、自身初のサヨナラ弾も含めて8月は14試合(35打席)で5本塁打と絶好調。9月になってからも勢いは衰えず、何とパイレーツ加入から31試合目で、すでにチーム2位タイの8本塁打を叩き込んでいるのだ。

 しかも、ただ本塁打が出ているわけではなく、打率.306、出塁率.396と内容も充実。何より、移籍以降のOPS(出塁率+長打率)1.096はその間のメジャー5位と、球界トップクラスの打棒を披露しているのである。

 OPSは.900を超えれば一流、1.000ともなれば超一流の領域だ。現在、両リーグでOPS1.000以上はブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)とブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)の2人だけ。もちろん、筒香の成績は1か月程度のもので単純な比較はできない。けれども、レイズやドジャースでは到底メジャー級の成績でなかった男が、短期間でも"狂い咲き"しているのは確かな好材料ではないか。

 今オフに2年契約が終了し、FAを迎える筒香。前半戦の時点では限りなくオファーはゼロと思われた中、ここに来ての進化で「メジャー3年目」も見えてきたのは間違いない。

構成●THE DIGEST編集部
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