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プロ野球

【2021ドラフト展望:ロッテ】黄金期構築を目指して小園、有薗ら将来性の高い好素材を狙うべし<SLUGGER>

やまけん

2021.10.06

センバツで一気に名を上げた小園。3年後のローテーションの中心を担っていても不思議はない。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

センバツで一気に名を上げた小園。3年後のローテーションの中心を担っていても不思議はない。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

 10月11日に行なわれるプロ野球ドラフト会議。各チームの育成状況や弱点を踏まえた上で、「誰を指名するか」ではなく「誰を指名するべきか」という観点からドラフトを展望する。若手とベテランが融合し、優勝争いを展開しているロッテ。今後も勝ち続けるためには、どのような選手を狙うべきか。

【2021年ドラフトのテーマ】
・将来性の高い先発ピッチャー獲得
・野手も高校生中心に次世代の柱を獲得


 熾烈な優勝争いを繰り広げる中でも、3年目の藤原恭大、2年目の佐々木朗希を筆頭に若手選手の活躍が光るロッテ。井口資仁監督の掲げる「マリーンズ黄金時代」の確立に向けて、着々と戦力整備が進んでいる印象だ。

 ここまで益田直也らリリーフ陣が抜群の安定感でチームを牽引しているが、先発陣に長いイニングを消化できる投手が少ないのが課題の一つ。100イニング以上を投げているのは小島和哉ら含めて4人いるものの、小島以外の3人は防御率4点台と決して盤石ではない。

 となると、即戦力を上位指名で確保したくなる。しかし、来季以降は佐々木朗の一軍登板も増える見込みで、エース格の種市篤暉の復活も期待できる。こうした状況を踏まえると、上位で狙いたいのが「将来性の高い先発ピッチャー」だ。

 中でもイチオシは小園健太(市和歌山高)。最速152キロのストレートに加え、カットボールなど変化球のレベルも高く、プロ入り3年前後で先発ローテーション入りは見込める。他にも、190cmを超える長身で伸びしろ抜群の達孝太(天理高)、地元千葉出身のサウスポー山下輝(法政大)らも候補に入れたい。
 
 野手では藤原や安田尚憲らが一軍で奮闘する裏で、平沢大河や佐藤都志也らも二軍で課題解決に取り組み、一軍定着を目指している。年代的にも即戦力が必要なポジションは少なく、高校生を中心に次世代のチームの核となる選手を指名していくことで、井口監督の標榜する「黄金期」に近づくだろう。

 その中で候補に挙げたいのが、有薗直輝(千葉学芸高)、粟飯原龍之介(東京学館高)の千葉出身コンビだ。有薗は高校通算70本塁打を誇る右の大砲候補で、三塁守備の動きにも光るものがある。粟飯原は有薗に比べると知名度は落ちるものの、パワーとスピードを兼ね備えた大型ショート。両選手とも全国大会の経験こそないが、将来的にレギュラーとして活躍できるだけのポテンシャルを秘めた楽しみな選手だ。

 捕手にも、高校生の松川虎生(市和歌山高)や中川勇斗(京都国際高)、大学生の古賀悠斗(中央大)や久保田拓真(関西大)など逸材が揃っている。彼らのような有望なキャッチャーを指名し、佐藤都ら既存の若手捕手と競わせて将来の正捕手争いを激化させるという選択もあり得るだろう。

 近年は長期的視点に立ったドラフト指名→二軍での計画的な育成→一軍への戦力供給のサイクルが循環し、チーム強化が進んでいる。今年もドラフトで好選手を獲得し、黄金期への礎としたい。

【表】ロッテ ポジション別年齢分布

文●やまけん

【著者プロフィール】
1999年生まれ、千葉県出身。「一人でも多くのアマチュア野球選手がスポットライトを浴びてほしい」という思いから、関東を中心に全国のアマチュア野球の試合を年間約150試合を球場で観戦するアマチュア野球観戦者。Twitter→@yam_ak_en
 

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