レギュラーシーズンが終了したメジャーリーグは目下、激闘が繰り広げられているポストシーズンが進行中。ワイルドカード・ゲームを勝ち上がったボストン・レッドソックスは現地時間10月11日、ア・リーグ最高勝率のタンパベイ・レイズを2試合連続のサヨナラ勝利で下し、リーグ優勝決定シリーズへと駒を進めた。
レッドソックスが待つ舞台へのチケットを巡り、ヒューストン・アストロズとシカゴ・ホワイトソックスも対戦中。この日は雨天により試合中止となっているが、現在はアストロズが2勝、王手をかけられたホワイトソックスが昨日に1勝を返し、明日に第4戦が行なわれる。しかし、この第4戦はかなりの“荒れた”展開になりそうだ。
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というのも、第3戦終了後の会見にて、ホワイトソックスの救援右腕ライアン・テペラが発した内容が大きな波紋を呼んでいるからだ。乱打戦となった第3戦にて、テペラが2イニングを3奪三振無失点の好リリーフを見せチームに勝利をもたらした。しかし、彼はある“違和感”を覚えたという。
「まさに数字が示す通り。アストロズは以前あそこ(本拠地ミニッツメイド・パーク)でいろいろやっていた過去があるし、やはり少し何か違いがあると言っていいと思う。第1、2戦と比較して、第3戦は彼らの空振りが多かった。
だからと言って、それを報告しようとしているのではない。自分たちはプレーし、競い合うだけ。彼らが何をしているのかなんて気にすることはない。これからも自分たちの投球をしていくだけだし、いずれにせよ彼らは打つことができないだろう」
テペラの発言は、今さら言うまでもないが、2017年にアストロズが本拠地球場で行なっていた電子機器による組織的なサイン盗みから来ている。今回の地区シリーズ、最初の2戦はアストロズのホームで行なわれ、三振数は合計で16だった。ところが、第3戦は1試合だけで16三振。この“急増”が「おかしい」として、テペラは再び「やっている」と思ったようだ。
かなりセンシティブな発言なだけに、現地メディアもこぞって取り上げているが、アストロズのダスティ・ベイカー監督も当然のように怒りを露わにした。まず、「このシリーズで対戦するまで、えーと……ライアン、、テペラだったか。彼の名前を聞いたことがなかった」と、昨年はナ・リーグMVP投票18位に入り、今季も65登板で防御率2.79の“無名”右腕に皮肉を飛ばす。そして、こう続けた。
「耐えがたい批判だ。今シーズン我々の得点やOPS(本拠地、敵地ともに)はほぼ同じだった。というか、本拠地より敵地の方が少し良かった。そして彼らは敵地よりも本拠地の方が良い成績を残している。
(テペラ投手の発言に)いろいろ反応するつもりはない。だけどね、今朝エリック・クラプトンの曲を聴いていたんだが、その歌詞にこんな言葉があった。『人を批難する前にまず自分自身を見つめ直せ』。自分が言いたいのはそれだけだ」
ベイカー監督が指摘するように、今シーズンのアストロズの打撃成績は本拠地で打率.267、427得点、OPS.787に対し、敵地では打率.268、436得点、OPS.780とほぼ一緒。たった3試合で打てたり、打てなかったりするのは確かに誤差のように思われる。
もちろん、アストロズが過去に犯した罪が消えることはない。しかし、『FOX Sports』のアナリストであるベン・バーランダーが「アストロズは第3戦でも第1戦と同じ3得点。ホワイトソックスは最初の2戦で計5点だったのに、ホームに来たら12点。おかしなことがあるもんだなぁ」と指摘したように、今回はアストロズへ“同情”する声が少なくないように思われる。
今回の一件で、アストロズとホワイトソックスに深い因縁が生まれたのは確か。果たして、盛り上がること必死の第4戦はどうなるか。今から楽しみである。
構成●THE DIGEST編集部
レッドソックスが待つ舞台へのチケットを巡り、ヒューストン・アストロズとシカゴ・ホワイトソックスも対戦中。この日は雨天により試合中止となっているが、現在はアストロズが2勝、王手をかけられたホワイトソックスが昨日に1勝を返し、明日に第4戦が行なわれる。しかし、この第4戦はかなりの“荒れた”展開になりそうだ。
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というのも、第3戦終了後の会見にて、ホワイトソックスの救援右腕ライアン・テペラが発した内容が大きな波紋を呼んでいるからだ。乱打戦となった第3戦にて、テペラが2イニングを3奪三振無失点の好リリーフを見せチームに勝利をもたらした。しかし、彼はある“違和感”を覚えたという。
「まさに数字が示す通り。アストロズは以前あそこ(本拠地ミニッツメイド・パーク)でいろいろやっていた過去があるし、やはり少し何か違いがあると言っていいと思う。第1、2戦と比較して、第3戦は彼らの空振りが多かった。
だからと言って、それを報告しようとしているのではない。自分たちはプレーし、競い合うだけ。彼らが何をしているのかなんて気にすることはない。これからも自分たちの投球をしていくだけだし、いずれにせよ彼らは打つことができないだろう」
テペラの発言は、今さら言うまでもないが、2017年にアストロズが本拠地球場で行なっていた電子機器による組織的なサイン盗みから来ている。今回の地区シリーズ、最初の2戦はアストロズのホームで行なわれ、三振数は合計で16だった。ところが、第3戦は1試合だけで16三振。この“急増”が「おかしい」として、テペラは再び「やっている」と思ったようだ。
かなりセンシティブな発言なだけに、現地メディアもこぞって取り上げているが、アストロズのダスティ・ベイカー監督も当然のように怒りを露わにした。まず、「このシリーズで対戦するまで、えーと……ライアン、、テペラだったか。彼の名前を聞いたことがなかった」と、昨年はナ・リーグMVP投票18位に入り、今季も65登板で防御率2.79の“無名”右腕に皮肉を飛ばす。そして、こう続けた。
「耐えがたい批判だ。今シーズン我々の得点やOPS(本拠地、敵地ともに)はほぼ同じだった。というか、本拠地より敵地の方が少し良かった。そして彼らは敵地よりも本拠地の方が良い成績を残している。
(テペラ投手の発言に)いろいろ反応するつもりはない。だけどね、今朝エリック・クラプトンの曲を聴いていたんだが、その歌詞にこんな言葉があった。『人を批難する前にまず自分自身を見つめ直せ』。自分が言いたいのはそれだけだ」
ベイカー監督が指摘するように、今シーズンのアストロズの打撃成績は本拠地で打率.267、427得点、OPS.787に対し、敵地では打率.268、436得点、OPS.780とほぼ一緒。たった3試合で打てたり、打てなかったりするのは確かに誤差のように思われる。
もちろん、アストロズが過去に犯した罪が消えることはない。しかし、『FOX Sports』のアナリストであるベン・バーランダーが「アストロズは第3戦でも第1戦と同じ3得点。ホワイトソックスは最初の2戦で計5点だったのに、ホームに来たら12点。おかしなことがあるもんだなぁ」と指摘したように、今回はアストロズへ“同情”する声が少なくないように思われる。
今回の一件で、アストロズとホワイトソックスに深い因縁が生まれたのは確か。果たして、盛り上がること必死の第4戦はどうなるか。今から楽しみである。
構成●THE DIGEST編集部