大谷翔平の歴史的活躍が光ったが、それ以外に何もなかった――。そういっても過言ではないほど、今季のロサンゼルス・エンジェルスは低調だった。
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　とりわけ投手陣は野手に輪をかけて酷い内容だった。二刀流としてエース格に成長した大谷を除き、先発ローテーションを守り抜いた投手はゼロ。中継ぎも防御率4.57という数字が物語る通り、計算できる駒は皆無だ。「打者・大谷」がどれだけ得点を生み出そうとも、守りでそれをふいにしてしまうというシーンは、幾度となく繰り返された。

　もっともエンジェルスには、大谷に加えて、マイク・トラウトやアンソニー・レンドーンなどハイアベレージが計算できる打者は揃っている。それだけに今冬のストーブリーグでは、ピッチングスタッフのテコ入れが最優先課題となっている。

　そんなエンジェルスの補強について興味深い情報が飛び込んできた。米スポーツ専門メディア『Bleacher Report』が、「このオフに注目すべき驚きの予測」と銘打った特集記事において「クレイトン・カーショウはロサンゼルスに残る。が、それはドジャースではない」と、33歳ベテランのエンジェルス入りの可能性を報じたのだ。

　カーショウはMLB屈指のサウスポーだ。通算185勝を挙げ、サイ・ヤング賞は３度も受賞。2014年にはナショナル・リーグのMVPにも選出されている。
  「もしも、カーショウの左腕に十分な魔法が残っているとすれば、オオタニがFAになる2023年後のオフシーズンまでに本当の巨大な違いを生み出せるだろう。それなりの費用は費やさなければならないが、十分すぎる打撃陣を考えれば、万全なオオタニと万全なカーショウという強烈なワンツーパンチが入るローテーションを完成させるだけで、ワールドシリーズ優勝も争える」

　左肘の故障からのリハビリ中というリスクはある。それでも米球界屈指の実力を持つカーショウを組み込めれば、すでに大谷とトラウトという“偉才”が居並ぶエンジェルスが一気に飛躍する可能性は小さくない。当然ドジャースは引き留めに躍起で、今後の争奪戦の行方に注目が集まる。

構成●THE DIGEST編集部

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