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MLB

短くも濃密なメジャー12年間を過ごした名捕手バスター・ポージーが殿堂入りする日は来るのか<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.11.09

引退会見に臨むポージー。引退の理由については「家族と一緒に過ごしたい」「肉体的な問題でプレーがきつくなってきた」と語った。(C)Getty Images

引退会見に臨むポージー。引退の理由については「家族と一緒に過ごしたい」「肉体的な問題でプレーがきつくなってきた」と語った。(C)Getty Images

 MLB屈指の捕手として知られるバスター・ポージー(ジャイアンツ)が現地11月4日、正式に引退を表明した。コロナ禍によるシーズン辞退から復帰した今季は自身6度目の打率3割をクリアし、OPS(出塁率+長打率)は.889。ジャイアンツ地区優勝の原動力となったただけに、34歳の若さでの引退には驚きの声が広がっている。

 2008年のドラフト全体5位でジャイアンツへ入団したポージーは、ルーキーイヤーの10年に打率.305、18本塁打で新人王を受賞。チーム56年ぶりの世界一にも大きく貢献した。翌年にはホームで走者と激突して重傷を負うも(この事件をきっかけにコリジョン・ルールが導入された)、12年に見事復活。捕手史上3人目の首位打者に輝くとともに2つ目のチャンピオンリングも手にして、MVPにも選ばれた。
 
 こうしてジャイアンツ最大のスターとなったポージーは、以後も扇の要としてチームを支え、14年には3度目の世界一も達成。オールスターには今季を含めて7度出場。シルバースラッガー賞4度に対してゴールドグラブは1度のみだが、セイバーメトリクスの専門家によって選ばれるフィールディング・バイブル賞は2度獲得。これまでに築いた実績は「ポージーがこれ以上証明するべきものは何もない」(『ESPN』のデビッド・ショーンフィールド記者)と言われるほどだ。

 そんな偉大な捕手の引退を契機に「ポージーは殿堂入りできるのか?」という議論が沸騰している。密度は濃いとはいえ、実働12年間で通算1371試合出場、1500安打、158本塁打といった数字は、通常の殿堂入りの基準からすると少ない。ヤディアー・モリーナ(カーディナルス)の兄で、新人時代のポージーを指導したベンジー・モリーナも、今年6月に「殿堂入り投票は通算成績が最も重視される。今の成績では、ポージーは殿堂入りすることはできないだろう」と懸念を示していた。
 

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