捕手の若月健矢によれば、サインは一つしかないという。
「110キロくらいのものと130キロを超えてくるのと、それをこちらの意図を理解してしっかり投げ分けるんですから、凄いピッチャーだなと思います」
11月10日、両リーグのクライマックス・シリーズ、ファイナルステージが開幕した。パ・リーグは首位のオリックスとロッテが対戦。オリックスはエースの山本由伸が初戦のマウンドに立ち、ロッテ打線を4安打シャットアウトに仕留めた。1回裏に味方打線が挙げた虎の子の1点を守り切っての快投劇だった。
「立ち上がりは球を操りきれずに、先頭を出したり、2死からヒットをたくさん打たれたりしたんですけど、途中から修正して低めに投げれた」
本人がそう振り返っているように、今日の山本は決して本調子ではなかった。登板間隔が離れていたこともあっただろうし、初のCSに期するところもあっただろう。立ち上がりはいつもほどの支配的なピッチングではなかった。
そのなかで山本を助けたのが、130キロ近いカーブだった。
1回表、先頭の荻野貴司に出塁を許し、2死二塁のピンチで4番のレアードを迎えた場面では、カウント3ボール2ストライクからの6球目にカーブを投じて見逃し三振。4回2死三塁のピンチでも、6番の山口航輝に対してカウント2-2からのカーブで、これもまた見逃し三振に切って取っている。
この日投げたカーブは、カウントを取るケース、ファールを取りに行くケース、勝負球に使うケースとさまざまだったが、球速をつけての投げ分けは若月の冒頭の言葉にあるように、山本のピッチングセンスの高さそのものと言っていい。
「110キロくらいのものと130キロを超えてくるのと、それをこちらの意図を理解してしっかり投げ分けるんですから、凄いピッチャーだなと思います」
11月10日、両リーグのクライマックス・シリーズ、ファイナルステージが開幕した。パ・リーグは首位のオリックスとロッテが対戦。オリックスはエースの山本由伸が初戦のマウンドに立ち、ロッテ打線を4安打シャットアウトに仕留めた。1回裏に味方打線が挙げた虎の子の1点を守り切っての快投劇だった。
「立ち上がりは球を操りきれずに、先頭を出したり、2死からヒットをたくさん打たれたりしたんですけど、途中から修正して低めに投げれた」
本人がそう振り返っているように、今日の山本は決して本調子ではなかった。登板間隔が離れていたこともあっただろうし、初のCSに期するところもあっただろう。立ち上がりはいつもほどの支配的なピッチングではなかった。
そのなかで山本を助けたのが、130キロ近いカーブだった。
1回表、先頭の荻野貴司に出塁を許し、2死二塁のピンチで4番のレアードを迎えた場面では、カウント3ボール2ストライクからの6球目にカーブを投じて見逃し三振。4回2死三塁のピンチでも、6番の山口航輝に対してカウント2-2からのカーブで、これもまた見逃し三振に切って取っている。
この日投げたカーブは、カウントを取るケース、ファールを取りに行くケース、勝負球に使うケースとさまざまだったが、球速をつけての投げ分けは若月の冒頭の言葉にあるように、山本のピッチングセンスの高さそのものと言っていい。