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MLB

「補強の名簿に残っている」いまだ消えないヤンキース復帰説。田中将大の去就を米メディアが追う理由「契約の噂がある」

THE DIGEST編集部

2021.11.20

楽天を優勝にこそ導けなかったが、たしかな実績を残した田中。その衰えぬ実力には“古巣”も注目している(!?)写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

楽天を優勝にこそ導けなかったが、たしかな実績を残した田中。その衰えぬ実力には“古巣”も注目している(!?)写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 日本球界への電撃復帰から1シーズン。楽天イーグルスの田中将大の去就がにわかに注目されている。

 今春、ニューヨーク・ヤンキースから8年ぶりに古巣へ電撃復帰を果たした田中。レギュラーシーズンでは4勝9敗と負け越したが、155.2イニング、126奪三振、防御率3.01と安定したピッチングを見せた。とりわけアメリカで磨きをかけた制球力は抜群で、9イニングあたりの四球の割合を示す「BB/9」は1.68。これは今季のパ・リーグで5冠を達成した山本由伸(1.86)を上回る数字となった。

 3月に故障した右ヒラメ筋の故障の回復が遅れた影響もあり、本領発揮とはいかなかった。それでも、WHIP(1イニングに打者を何人出塁させたかを表す指標)1.03と流石という投球は披露。ちなみこれは12球団で2位の値(1位は山本由の0.85)である。

 現在33歳で衰えは見せていない。そんな右腕に熱い視線を送り続けているのが、古巣ニューヨーク・ヤンキースだ。ブライアン・キャッシュマンGMは、今月9日開催されたGM会議において、「移籍市場で獲得可能なすべての案件を我々は検討する。もちろん現有戦力との比較や、人件費の柔軟性などを検討することも私の仕事だ」と明言を避けながらも、田中の再獲得に含みをもたせた。

 楽天が安易に放出するとは思えない。それでもヤンキースや、その周辺メディアが復帰の可能性を模索するのは、田中の契約にある。

 再入団会見で「どうなるか自分も分からないが、まだアメリカでやり残したことあると思っている」と語っていた田中は、楽天と2年契約を締結。しかし2年目からはオプトアウト(契約見直し)の条項も盛り込まれているため、本人が移籍の意思を固めれば、一気にMLB復帰に傾く可能性はゼロではないのだ。
 
 ゆえに現地メディアも日本人右腕の動向を追い続ける。米放送局『CBS Sports』は、今オフのヤンキースの補強戦略についてまとめた記事内で、コーリー・シーガーやカルロス・コレアといったFA市場にいる大物を列挙したうえで、「心に留めておきたい選手もいる」と田中を紹介した。

「彼の名前は忘れてはならない。2021年に日本の東北楽天ゴールデンイーグルスで23試合に登板し、防御率3.01を記録したマサヒロ・タナカは、この冬にMLBの球団との契約をめざすとの噂がある」

 今季のレギュラーシーズンで大黒柱のゲリット・コールのほかに、安定した先発投手を欠いたヤンキースにとって、田中獲得は大きな戦力アップに繋がる。それだけに同球団の番記者を務めるなうての識者も復帰に太鼓判を押す。MLB公式サイトのヤンキース番であるブライアン・ホッホ氏は、こう説いた。

「私は(復帰の)可能性があると思っている。2020年にはコロナ禍などあらゆるフィールド外の問題があって、マサヒロ・タナカの決断に拍車がかかったが、ヤンキースやニューヨークでのプレーに問題があったわけではない。いずれにしても、彼は間違いなく補強の名簿に残っているはずだ。私はタナカがMLBに復帰するとなれば、ヤンキースが彼と最初に話し合いをする球団でなければいけないと考えている」

 いまだニューヨークで根強い信頼がある田中。今季のシーズン終了後に石井一久GM兼任監督から「このチームにとって特別な選手」とラブコールを送られもした33歳の決断は、今冬の大きな話題となりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部
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