プロ野球

オリ助っ人ジョーンズがMLB公式で語った“日本の野球観”。「アメリカじゃ考えられない」プレーとは?

THE DIGEST編集部

2021.11.25

オリックスの一員として日本シリーズを戦っているジョーンズ。そんな助っ人砲が日米の野球について語った。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 日米の野球観の違いを物語る最たる例なのかもしれない。現地時間11月23日、オリックス・バファローズのアダム・ジョーンズが、日本球界への興味深いコメントを残している。
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 2020年シーズンから鳴り物入りでオリックスに入団したジョーンズ。1年目は新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって本領を発揮できなかったが、2年目の今季はMLBで5回のオールスターに選出された実力の片鱗を見せつける。股関節の違和感などで出遅れて打率こそ.234と低調だったものの、OPS.677、長打率.338、出塁率.339のハイアベレージを記録。また、代打としても26打数11安打(打率.423)と小さくない存在感を放った。

 パ・リーグを25年ぶりに制したチームにあって、助っ人として確かな貢献をしたジョーンズ。そんな36歳のベテランは、現地時間11月23日にMLBの公式チャンネル『MLB Network』の人気番組「Hot Stove」にリモート出演。そこで、日米の野球の違いについて、こう論じた。

「日本の野球ってものは、間違いなく投手と守備に重きが置かれている。そうだな、俺が子どもの頃に見ていたナ・リーグのようだね。攻撃もバントとかヒットエンドランとか、とにかくプレイボール直後からスモール・ベースボールなんだよ。試合を通して大量得点を目指すのではなく、確実に1点を狙っていく。アメリカの野球とは明らかな違いが存在する」
 
 球界屈指のトッププロスペクトとして名を馳せ、およそ12年間のキャリアを積んだMLBについて、「基本的にアメリカは長打、四球、三振の3つを起点に物事の結末について考える」と分析したジョーンズは、およそ2年の生活で「不思議に感じる時もあった」という日本のスタイルをクローズアップした。

「これはアメリカじゃ考えられないことかもしれないけど、日本はどの選手もバントができるんだ。今年の東京五輪の試合を見ていたんだけど、あのリーグ最高の打者のひとりであるヤナギタでさえもバントしていたんだよ。

 彼は毎年のようにホームランで輝く男なんだけどね。でも、それが日本のやり方だ。全く利己的ではなくて、すごく謙虚なんだ。僕はたまに采配を奇妙に思うこともあるけど、それでもそれが日本だ」

 最後に「俺は『シンドイデス』って言って試合前の練習を休ませてもらうこともある。それぐらいに日本人は練習、練習、練習なんだ。もちろんリスペクトをしているよ」と冗談を絡めながら語ったジョーンズ。キャリアの晩年とも言える時期に海を渡ったスラッガーにとって、日本の"野球"は、新鮮に映っているようだ。

構成●THE DIGEST編集部
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