オリックスが10月27日、1996年以来、25年ぶりのリーグ優勝を果たした。2年連続最下位からの、大躍進の背景には中嶋聡監督を支える参謀の存在があった。
「僕の仕事は、福良(淳一)ゼネラルマネジャー(GM)を支え、チームに化学反応を起こすこと」。宮田隆・GM補佐がチームの変化に期待感を示したのは、今年2月の春季キャンプのことだった。視線の先には今季からチームに加わった水本勝己ヘッドコーチがいた。
「彼はいい働きをしてくれていますよ」と続けた宮田補佐。その言葉通り、水本ヘッドの動きは際立っていた。練習中、あまり声が出ない選手らの中で、大きな声で選手名を挙げて「いい動きだ」「ナイスボール」と声を掛け選手を鼓舞。選手を集めて「野球小僧になろう」と呼びかけた。
水本ヘッドに、チームが強くなる予感はあった。「勝つ喜びを知れば、このチームは強くなる。試合が終わった時に『疲れた』というくらいに集中してほしい。終わって『勝った、負けた、次の試合だ』にはなってほしくない。低迷していた理由は、そんなところにあるのではと思った」からだ。
「選手が集中して試合に臨めるのなら」と、本拠地での試合直前のシートノックも取りやめた。チームの一体感と試合に臨む気持ちを高めるため、試合直前のベンチでコーチや選手全員がグータッチをかわすことも提案した。これまでは、開幕戦だけの“儀式“。しかし、「開幕戦だけでなく、毎日、ワクワクして試合に入ってほしかった。シートノックはやめてみて、結果がダメだったらまた戻せばいいだけの話で、やめると決めたわけではない。考えるだけでは何もコトが起こらない。とにかくやってみようというのが僕の性格。コーチ全員で考えたこと」と説明する。
9月24日の楽天戦(京セラドーム大阪)の全体練習の前には、外野に野手を集め「もう一度、グータッチの意味を思い出そう」と呼びかけた。チームは9月に入り主砲の吉田正尚をケガで欠き、前日まで7勝10敗2分けと下降線をたどりつつあった。人工芝に腰を落とす選手と同じように、お尻を芝につけ同じ目線で語りかけた。
その日の試合は1点差で落としたものの、以後、引き分けを挟み、ロッテ戦(ZOZOマリン)の3連勝を含む7連勝で首位に返り咲いた。
「僕の仕事は、福良(淳一)ゼネラルマネジャー(GM)を支え、チームに化学反応を起こすこと」。宮田隆・GM補佐がチームの変化に期待感を示したのは、今年2月の春季キャンプのことだった。視線の先には今季からチームに加わった水本勝己ヘッドコーチがいた。
「彼はいい働きをしてくれていますよ」と続けた宮田補佐。その言葉通り、水本ヘッドの動きは際立っていた。練習中、あまり声が出ない選手らの中で、大きな声で選手名を挙げて「いい動きだ」「ナイスボール」と声を掛け選手を鼓舞。選手を集めて「野球小僧になろう」と呼びかけた。
水本ヘッドに、チームが強くなる予感はあった。「勝つ喜びを知れば、このチームは強くなる。試合が終わった時に『疲れた』というくらいに集中してほしい。終わって『勝った、負けた、次の試合だ』にはなってほしくない。低迷していた理由は、そんなところにあるのではと思った」からだ。
「選手が集中して試合に臨めるのなら」と、本拠地での試合直前のシートノックも取りやめた。チームの一体感と試合に臨む気持ちを高めるため、試合直前のベンチでコーチや選手全員がグータッチをかわすことも提案した。これまでは、開幕戦だけの“儀式“。しかし、「開幕戦だけでなく、毎日、ワクワクして試合に入ってほしかった。シートノックはやめてみて、結果がダメだったらまた戻せばいいだけの話で、やめると決めたわけではない。考えるだけでは何もコトが起こらない。とにかくやってみようというのが僕の性格。コーチ全員で考えたこと」と説明する。
9月24日の楽天戦(京セラドーム大阪)の全体練習の前には、外野に野手を集め「もう一度、グータッチの意味を思い出そう」と呼びかけた。チームは9月に入り主砲の吉田正尚をケガで欠き、前日まで7勝10敗2分けと下降線をたどりつつあった。人工芝に腰を落とす選手と同じように、お尻を芝につけ同じ目線で語りかけた。
その日の試合は1点差で落としたものの、以後、引き分けを挟み、ロッテ戦(ZOZOマリン)の3連勝を含む7連勝で首位に返り咲いた。