今年のMLBのストーブリーグは、異例とも言えるスピード展開を見せている。現地11月28日には、今季、二塁手歴代最多45本塁打を放ったマーカス・セミエンがレンジャーズと7年1億7500万ドル(約193億円)、球宴右腕のケビン・ゴーズマンがブルージェイズと5年1億1000万ドルで契約合意した。
さらに一夜明けて29日、再びレンジャーズが大型遊撃手のコリー・シーガーと10年3億2500万ドル(約369億円)のビッグディールを結び、今季サイ・ヤング賞に輝いた本格派左腕のロビー・レイは5年1億1000万ドル(約126億円)でマリナーズ入り。そして、"トリ"を飾ったのが、サイ・ヤング賞3回&通算190勝の大投手マックス・シャーザーだ。
前日28日にもメッツと契約間近との報道が出ていたが、ついに決着。3年1億3000万ドル(約147億円)に2年目終了後のオプトアウト(契約破棄条項)がついた形となり、年平均4333万ドル(約49億円)はゲリット・コール(ヤンキース/3600万ドル)を抜いて歴代最高額を更新した。
今年7月に37歳を迎えた大ベテランのシャーザーだが、その球威はまったくの衰え知らず。自身8度目の15勝をマークし、防御率2.43はリーグ2位。サイ・ヤング賞投票でも3位に入った。シャーザーは前回、15年オフにナショナルズと結んだ7年2億1000万ドルの超大型契約を結んだ際、不良債権化を危惧されながら史上最高レベルの"コスパ"で完遂しており、大ベテランでありながらも「安定株」と見なされている。
【動画】最強コンビ結成! シャーザーとデグロムの投球比較!「これは打てません」
果たして、シャーザーの"史上最高年俸"はどれだけすごいのか。現時点での他のチームの総年俸と比較すると、パイレーツの4020万ドル(約46億円)、オリオールズの3700万ドル(約42億円)を一人で上回り、ガーディアンズの4670万ドル(約53億円)にも肉薄している。 もちろん、これらの球団は今後の補強で総年俸が増える可能性が高いが、ずば抜けた数字であることは伝わるだろう。
さらに、日本球界と比べるとさらにとんでもないことになる。まず、プロ野球選手会が発表した今年度の各球団の総年俸を見ておこう(開幕日の3月26日時点、選手会所属の支配下選手730人の自己申告によるもの。外国人選手と育成選手は含まれず、出来高払いは算入されていない)。
①ソフトバンク(60人):41億5948万円
②楽天(64人):37億6744万円
③巨人(56人):36億8866万円
④西武(61人):25億940万円
⑤広島(62人):24億9471万円
⑥日本ハム(62人):22億8169万円
⑦ヤクルト(60人):21億7912万円
⑧DeNA(60人):20億8766万円
⑨中日(61人):20億5233万円
⑩ロッテ(62人):18億7970万円
⑪阪神(61人):17億6064万円
⑫オリックス(61人):16億1028万円
※カッコ内の人数は支配下
一目で分かる通り、シャーザー一人の年俸49億円は、何とプロ野球全12球団の総年俸を超えている。選手会発表の金額には外国人選手が含まれておらず、実際はこの金額よりも多くなるが、それでも1位のソフトバンクがどうにか並ぶくらい。今回のシャーザーの新契約の"破格"ぶりがよく分かる。
これだけの投資が可能になるのは、MLB全体の財政状況が潤っていることはもちろん、「メッツだから」とも言える。
昨オフ、元ヘッジファンド経営者で、"資産1兆円の男"として名を馳せる大富豪スティーブ・コーエンが新オーナー就任。昨年も大盤振る舞いの補強を展開したもののチームは結果を残せず、フラストレーションを溜めまくったコーエンは自身のSNSで選手批判も平気でしていた。
このオフも、シャーザー以外にFA市場で野手を積極補強。一方、契約間近で取り逃がした選手の代理人をSNSで批判して論議を呼んでいた。今回のシャーザー獲得は、かつてヤンキースを率いたジョージ・スタインブレナーのような「金も口も出す」オーナーの本気度が伝わってくる補強だった。
構成●SLUGGER編集部
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さらに一夜明けて29日、再びレンジャーズが大型遊撃手のコリー・シーガーと10年3億2500万ドル(約369億円)のビッグディールを結び、今季サイ・ヤング賞に輝いた本格派左腕のロビー・レイは5年1億1000万ドル(約126億円)でマリナーズ入り。そして、"トリ"を飾ったのが、サイ・ヤング賞3回&通算190勝の大投手マックス・シャーザーだ。
前日28日にもメッツと契約間近との報道が出ていたが、ついに決着。3年1億3000万ドル(約147億円)に2年目終了後のオプトアウト(契約破棄条項)がついた形となり、年平均4333万ドル(約49億円)はゲリット・コール(ヤンキース/3600万ドル)を抜いて歴代最高額を更新した。
今年7月に37歳を迎えた大ベテランのシャーザーだが、その球威はまったくの衰え知らず。自身8度目の15勝をマークし、防御率2.43はリーグ2位。サイ・ヤング賞投票でも3位に入った。シャーザーは前回、15年オフにナショナルズと結んだ7年2億1000万ドルの超大型契約を結んだ際、不良債権化を危惧されながら史上最高レベルの"コスパ"で完遂しており、大ベテランでありながらも「安定株」と見なされている。
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果たして、シャーザーの"史上最高年俸"はどれだけすごいのか。現時点での他のチームの総年俸と比較すると、パイレーツの4020万ドル(約46億円)、オリオールズの3700万ドル(約42億円)を一人で上回り、ガーディアンズの4670万ドル(約53億円)にも肉薄している。 もちろん、これらの球団は今後の補強で総年俸が増える可能性が高いが、ずば抜けた数字であることは伝わるだろう。
さらに、日本球界と比べるとさらにとんでもないことになる。まず、プロ野球選手会が発表した今年度の各球団の総年俸を見ておこう(開幕日の3月26日時点、選手会所属の支配下選手730人の自己申告によるもの。外国人選手と育成選手は含まれず、出来高払いは算入されていない)。
①ソフトバンク(60人):41億5948万円
②楽天(64人):37億6744万円
③巨人(56人):36億8866万円
④西武(61人):25億940万円
⑤広島(62人):24億9471万円
⑥日本ハム(62人):22億8169万円
⑦ヤクルト(60人):21億7912万円
⑧DeNA(60人):20億8766万円
⑨中日(61人):20億5233万円
⑩ロッテ(62人):18億7970万円
⑪阪神(61人):17億6064万円
⑫オリックス(61人):16億1028万円
※カッコ内の人数は支配下
一目で分かる通り、シャーザー一人の年俸49億円は、何とプロ野球全12球団の総年俸を超えている。選手会発表の金額には外国人選手が含まれておらず、実際はこの金額よりも多くなるが、それでも1位のソフトバンクがどうにか並ぶくらい。今回のシャーザーの新契約の"破格"ぶりがよく分かる。
これだけの投資が可能になるのは、MLB全体の財政状況が潤っていることはもちろん、「メッツだから」とも言える。
昨オフ、元ヘッジファンド経営者で、"資産1兆円の男"として名を馳せる大富豪スティーブ・コーエンが新オーナー就任。昨年も大盤振る舞いの補強を展開したもののチームは結果を残せず、フラストレーションを溜めまくったコーエンは自身のSNSで選手批判も平気でしていた。
このオフも、シャーザー以外にFA市場で野手を積極補強。一方、契約間近で取り逃がした選手の代理人をSNSで批判して論議を呼んでいた。今回のシャーザー獲得は、かつてヤンキースを率いたジョージ・スタインブレナーのような「金も口も出す」オーナーの本気度が伝わってくる補強だった。
構成●SLUGGER編集部
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