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「本当に悔しかった」田中将大が楽天残留を決意! ヤンキースの地元紙は「ビジネスは未完のままだ」と嘆き

THE DIGEST編集部

2021.12.04

楽天との復帰2年目に意欲を示した田中。その決断にヤンキースの地元メディアも反応している。写真:金子拓弥(THE DIGEST)

「本当に悔しかった。こんなに苦しんだシーズンはNPB、MLB両方でプレーしていてもなかった。結果がついてこず、とにかくつらかったし、しんどかった」

 日米のストーブリーグでスター選手の動向が話題となる師走に、苦しい想いを吐露して残留を決意したのが、楽天イーグルスの田中将大だ。
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 今年2月にニューヨーク・ヤンキースから8年ぶりに古巣へ電撃復帰を果たした田中。レギュラーシーズンでは4勝9敗と負け越したが、155.2イニング、126奪三振、防御率3.01と安定したピッチングを披露。とりわけ制球力は抜群で、9イニングあたりの四球の割合を示す「BB/9」は1.68。これは今季のパ・リーグで5冠を達成した山本由伸(1.86)を上回る数字だった。

 そんな33歳と楽天との契約には、2年目からオプトアウト(契約見直し)の条項も盛り込まれているため、メジャー復帰が囁かれた。とりわけ先発投手陣の立て直しを目指していた古巣のヤンキースは熱視線を送っていたとされ、「彼は間違いなく補強の名簿に残っているはずだ」(MLB公式サイト『MLB.com』)と米メディアでも報じられていた。

 世界への再挑戦も噂されたなかで残留を決意した。田中は12月4日に楽天生命パークで行なわれたファン感謝祭で、決断に至ったワケを次のように話している。

「今シーズン自分自身、不甲斐ない結果のせいで一番高いところ、目標にしていたところに届かなかった。なんとか来シーズンこそは一番高いところまでみんなで行けるようにまた頑張りたいと思いますので、またよろしくお願いします」
 
 無論、このサムライの残留は、米メディアでも小さくない話題だ。ヤンキースの地元紙『New York Daily News』は、新労使協定を巡るロックアウト突入によってFA選手の契約交渉の中断を引き合いに、「この混沌とした状況下でのタナカの残留発表は決して偶然ではない」と分析。そのうえで、こう論じている。

「2022年にマサヒロ・タナカとヤンキースの再会はなくなった。両者の関係はいまも良好で、ドアは閉じられてはいなかった。2021年のヤンキースの先発ローテが結果を出せなかったことを考慮しても、田中のヤンキース復帰はあり得ないわけではなかった」

 ただ、同紙は2年契約が満了となる来冬での獲得に早くも期待を寄せた。

「本人は『やり残したことがある』とかつて語っていたが、タナカとヤンキースのビジネスは結局、来季も未完のままとなった。今季も堅実なシーズンを送ったタナカは、来年に34歳になる。だが、メジャーリーグのビジネスが落ち着いた次の冬であれば、彼がアメリカで契約先を探すのは容易だろう」

 はたして、1年後のメジャー復帰はありえるのか。いずれにしても「来年はシーズンの頭から(今季の)後半でつかんだようなものを出していけたらなと思っています」と意気込んだ田中のピッチングに注目したい。

構成●THE DIGEST編集部

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