プロ野球

【パ・リーグ6球団通信簿】オリックス、ロッテは高評価も3球団がまさかの「ガッカリ」<SLUGGER>

出野哲也

2021.12.13

昨年最下位のオリックスは下馬評を覆して25年ぶりの頂点に立った。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 オリックスが昨年の最下位から下克上を果たしたの2021年のパ・リーグ。開幕前の戦力予想や実際の戦いぶりを踏まえて、全6球団の戦いぶりを通信簿形式で査定していこう。

※A=よくできました、B=まずまずです、C=可もなく不可もなく、D=がんばりましょう、E=ガッカリです

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▼オリックス
70勝55敗18分 勝率.560(1位)
評価:よくできました(A)

 山本由伸、吉田正尚という投打のスターを擁することから上位に食い込むかも、との声はあった。だが、前年の最下位から一気に優勝まで駆け上がるとは予想外だった。その原動力はもちろん投手陣。MVP最有力候補の山本に加え、高卒2年目の宮城大弥が急成長、山崎福也も自己ベストの成績で、山岡泰輔離脱のダメージを最小限に止めた。ブルペンも平野佳寿の復帰で劇的に安定した。

 OPS.690はリーグ4位と、決して強力ではなかった打線では杉本裕太郎が覚醒。紅林弘太郎を遊撃に抜擢し、安達了一が二塁、福田周平がセンターへ回った玉突きコンバートも結果的に成功した。紅林を我慢して使い続けた中嶋聡監督の覚悟も見事だった。
▼ロッテ
67勝57敗19分 勝率.540(2位)
評価:まずまずです(B)

 得失点差+14はリーグ4位ながら、一時は優勝マジックを点灯させるなど健闘し、2年連続の2位。チーム打率は.240にも満たなくとも、荻野貴司と和田康士朗が同数で盗塁王になった機動力を駆使するなどして、584得点は1位。同一リーグとの対戦勝率はオリックスを上回った。

 20年も得失点差-18ながら2位に入っていて、2年続けて戦力以上の結果を出したのは、井口資仁監督や吉井理人投手コーチら首脳陣の功績と言える。大器・佐々木朗希を順調に育てている点もそこには含まれるが、種市篤暉、西野勇士と主力投手2人が全休した穴は埋められなかった。

▼楽天
66勝62敗15分 勝率.516(3位)
評価:可もなく不可もなく(C)

 田中将大の復帰で強力な先発ローテーションが完成し、優勝を予想する声も多かった。ところが貯金を4しか作れず3位。投手陣はK/BBがリーグ1位、被自責点の失点も最少でありながら防御率3.40は4位どまり。

 打線も浅村栄斗、茂木栄五郎が例年ほどの出来ではなく、何より来日が遅れた2人の外国人が合わせて5本塁打、18打点と不発だった。明らかに迫力不足で、打点王に輝いた島内宏明や、久々に好調だった岡島豪郎の頑張りだけでは補えなかった。一応Aクラスではあっても、期待が大きかった分失望度も大きく、厳しい採点にならざるを得ない。
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