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メジャーで本当に通用するのか? MLBスカウトたちが語った鈴木誠也の「長所」と「課題」<SLUGGER>

ジム・アレン

2022.01.01

MLBがロックアウトに突入したためいまだに移籍先は決まっていないが、鈴木の評価は日に日に高まっている。いったいどこのユニフォームを着るのだろうか?写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

MLBがロックアウトに突入したためいまだに移籍先は決まっていないが、鈴木の評価は日に日に高まっている。いったいどこのユニフォームを着るのだろうか?写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 昨年11月16日、侍ジャパンの4番を務める鈴木誠也がポスティングを表明した。日本球界で圧倒的な成績を残してきたスラッガーは果たしてメジャーで通用するのか。5人のMLBスカウトへの取材によって分かった「長所」と「課題」。アメリカから見た鈴木の評価とは一体どのようなものだろうか。

 海を渡ってメジャーリーグに挑む他のすべての日本人選手と同様、鈴木誠也にもさまざまな疑問が付きまとう。彼は今、慣れ親しんだ広島カープという安全地帯から一歩踏み出そうとしている。

 メジャーリーグのスカウトたちは、選手の今後の可能性だけでなく、隠れたリスクも見極めなければならない。だが、私が取材した5人のMLBスカウトの間では、一つのコンセンサスがあるようだ。これまで太平洋を渡ったどの日本人野手と比べても、鈴木は成功する確率が最も高い(最もリスクが低い)、というものだ。

 まず、鈴木への懸念材料から考えていこう。
 
●シフト
 あるMLBスカウトは、鈴木はアメリカでこれまで見たこともないような守備シフトに遭遇するだろうと考えている。二塁手が二塁ベースの左側に立つような極端なシフトだ。

「鈴木がこれまで経験したことのないものだろう」とそのスカウトは言う。

「彼のゴロ打球の90%は左側に飛んでいるんじゃないかと思える。相手チームは必ずシフトを敷いてくるだろうから、それにどう対処するか考えておかないといけない」

●タイミング
 あるスカウトによれば、鈴木は「94マイル(約151.3キロ)以上の速球を打つことにかけては日本球界で最高の打者」だという。一方、それだけ速いボールを投げ込む投手は、日本にはそう多くない。

 19年、鈴木は対戦する投手に応じてアプローチを変えていると語っていた。そのやり方は日本では成功するかもしれないが、アメリカに渡れば同一リーグだけで14球団、インターリーグも含めればもっと多くのチームと対戦しなければならない。そのため、アプローチをよりシンプルにする必要がある。

「日本との変化に選手がどう対応するかは、なかなか予見できない」と別のスカウトは言う。「ただ、鈴木はMLBの速い球にも対応できるように思える。立派なメジャーリーグの打者に見えるよ」
 
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