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筒香と秋山、MLBの評価はどちらが上なのか?米移籍サイトに興味深い情報が…

2019.11.06

秋山(左)筒香(右)に対するアメリカ側の評価は意外にも……。写真:徳原隆元

 今オフ、日本から2人のスター選手がMLBへ挑戦する。筒香嘉智(DeNA)と秋山翔吾(西武)だ。日本球界屈指のスラッガーである筒香と、走攻守に秀でたオールラウンダーの秋山。果たして、2人はアメリカ球界でどのような評価を受けることになるだろうか。

 興味深いのは、媒体によって2人の評価に違いがあることだ。11月5日(現地)に発表された移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ(MLBTR)」のトップFAランキング50で、秋山は45位。「センターフィルダーの人材を欠く今オフのFA市場で魅力を集めるだろう」「センターのレギュラーを探しているチームにとってはFA市場で最高の選択肢」と評価しつつ、ダイヤモンドバックスやレンジャーズ、インディアンス、ホワイトソックス、マリナーズを獲得候補に挙げている。

 ただし、予想契約は2年650万ドル(約6億5000万円)と控えめ。MLBの基準では、レギュラーというより「第4の外野手」、つまり外野のスーパーサブの相場に近い。西武が4年20億円超をオファーしていることを考えても、厳しい条件と言えるだろう。
 
 一方、筒香はMLBTRではトップ50圏外という意外な(?)低評価だった。しかし、データサイト「ファングラフス」が発表したFAランキングでは42位。しかも、2年1600万ドル(約17億4400万円)とかなりの好条件を得ると予想されている。ファングラフスでは移籍先球団については書かれていないが、ブルージェイズやオリオールズなどが候補に挙がっている。

 寸評では、今季の平均打球速度が92マイル(約148.0キロ)で、これはMLB全体でもトップ30に入る水準であること、フィールドの全方向に長打を飛ばせることなどを挙げる一方、守備力の低さや、年齢を重ねると力が落ちやすい体形であることなどを指摘している。ちなみに「ファングラフス」では秋山はトップ50圏外で、「MLBTR」とは好対照の評価となっている。

 秋山はFA、筒香はポスティングという違いはあるが、個人的には2人とも条件面でそれほど大きな差は出ないのではないかと予想している。本当に秋山が「市場で最高のセンター」という評価を得られるなら、2年650万ドルは安すぎる。一方、FA市場がここ数年冷え込んでいることを考えると、守備に明白な弱点を抱え、しかもアメリカでは割と「よくいるタイプ」の筒香に2年1600万ドルは高すぎるように思える。

 ストーブリーグはまだ始まったばかり。2人がどんな条件で、どのチームに入るのか。興味深く見守っていきたい。

文●久保田市郎(スラッガー編集部)