MLB

米メディアが鈴木誠也を「欲しがらない理由」を分析! 10球団以上が絡む争奪戦の過熱でジャイアンツは手を引く?

THE DIGEST編集部

2022.01.20

先の見えないロックアウトのなかでもMLB挑戦を決意している鈴木。そんなサムライスラッガーに対する評価は日増しに上がっている。(C)THE DIGEST

 日本球界屈指のポテンシャルを持つ鈴木誠也。走攻守で違いを生み出せる27歳は、キャリアの岐路に立っている。

 このオフに鈴木が広島からポスティングシステムによるメジャー移籍を目指しているのは周知の通りだ。昨年11月21日に正式に発表してからほどなくして、MLBでロックアウトが始まったために交渉は停滞しているが、すでに「10~12球団とのオンラインによる交渉を終えている」(The Athleticより)という男の話題性はアメリカでも尽きてはいない。

 そんなサムライに熱視線を送る球団のひとつとされているのが、サンフランシスコ・ジャイアンツだ。

 昨シーズンに宿敵ロサンゼルス・ドジャースとのデッドヒートを制し、9年ぶりにナショナル・リーグ西地区優勝を飾ったジャイアンツ。だが、連覇に向けて彼らは補強に余念がない。とりわけ、右の強打者だった主砲バスター・ポージーが引退し、打線の中軸を任せられるスラッガーの獲得は今オフの課題だ。その穴埋めに白羽の矢を立てられているのが鈴木なのである。
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 何より日本球界で確かな実績を残していながら、27歳と比較的若いのは、大きな魅力だ。それは、昨年11月に行なわれたGM会議で、ジャイアンツのファーラン・ザイディ編成本部長が、「彼は本当に素晴らしい選手。とくにあれだけのパワーがあって、クオリティーのある打撃ができる右打者なら我々のチームにフィットする。それに中長期の活躍も見込める」と認める通りだ。

 無論、全く不安がないわけではない。MLBのあらゆる情報を発信している米スポーツ専門メディア『The Athletic』は、「ジャイアンツが欲しがる理由と欲しがらない理由」と銘打った特集記事内で、アメリカにおいて鈴木のNPBでの詳細なデータを示すチャートを知る術がない点を指摘。技術的に未知数な部分が多いというのだ。そのため、同メディアはジャイアンツが「争奪戦によって獲得金額が1億ドル(約114億3000万円)まで膨れ上がれば、投資を渋るかもしれない」とした。

 もっとも、先述のGM会議後に「多くのチームが行ってきたように我々もスズキはしっかりとスカウティングしてきた」とザイディ編成本部長は明言しており、鈴木に関するデータが全くないわけではないとも言える。

 ロックアウト下で過熱する鈴木の争奪戦。その興味深いレースを制して、彼を射止めるMLB球団はいったいどこになるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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