プロ野球

「野球よりもゴルフに没頭」元巨人イ・スンヨプの現状に韓国人記者が嘆き。元サッカー代表との比較も

THE DIGEST編集部

2022.02.01

韓国の「国民的打者」として知られるイ・スンヨプ。言わずと知れた大打者の現状に苦言が飛んだ。(C)Getty Images

 韓国球界が誇るレジェンドの現状に、韓国人記者も黙っていられなかったようだ。

 かつて日本で3球団を渡り歩いたイ・スンヨプは、アジアを代表するスラッガーだった。三星ライオンズ(韓国)に所属していた2003年には当時、王貞治氏が持っていたアジア球界におけるシーズン本塁打記録を更新する56号を放ち、「国民的打者」の異名で親しまれた。

 2004年に千葉ロッテに移籍して日本へ活躍の場を移した名手は、2006年に4年契約で巨人入りを果たすと、第70代4番打者を務め、その知名度を飛躍的に高めた。2017年に引退するまでに放った本塁打は467本。イ・スンヨプの名を知らぬものは、少なくともアジア球界にはいないだろう。

 だが、韓国国内での世間的な知名度は、決して高くないようだ。とりわけ若い世代には、「国民的打者」の名は広く認知されておらず、その事実を物語るエピソードを地元スポーツメディア『スポーツ韓国』のキム・スイン記者が紹介している。

 同記者は、ゴルフ番組に頻繁に出演しているイ・スンヨプについて、知人の息子が「ゴルフ選手じゃないの?」と言っていたというエピソードを明かし、「これは衝撃的な話だった」と強調。そのうえでこう続けた。

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「本来ならば、KBO広報大使を務めるイ・スンヨプは、誰よりも野球のために頑張らなければいけない。しかし、今の彼は野球よりもゴルフのアンバサダーとしての役割に没頭している。それでは10代の若者が、彼を野球選手ではなくゴルファーとして見るのは自然なことだ。彼は年に数回だけボランティア的に野球教室を開いているだけで野球大使としての仕事は全うしたとは言い難い。この現状を関係者は深く嘆いている」

 さらにキム・スイン記者はゴルフに情熱を注ぐレジェンドについて、「ゴルフ活動に邁進するのは個人の自由であり、批判はしがたい」としつつも、サッカー界の代表OBとの比較を展開した。

「イ・スンヨプとは対照的に、元サッカー韓国代表のイ・チョンスは、サッカーの普及のために熱を注いでいる。2020年まで仁川ユナイテッドの強化本部長を務めていた彼は、およそ1年前からサッカー協会の社会貢献委員長を務めながら、YouTubeなどでサッカーの伝道師としての役割を担い、連日忙しい日々を過ごしている。彼の拡散力はファンからも絶賛されている」

 近年、野球人気の低迷が叫ばれているという韓国球界。そのなかで同記者は、「プロ野球興行は一大危機にある。いまこそレジェンドが野球を生かすべき時ではないか」と訴えている。

構成●THE DIGEST編集部

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