今、メジャーリーグ・ファンの間で、ある発言が話題に上っている。2月5日に行なわれた阪神の紅白戦で、テレビ中継の解説者を務めていた元監督の岡田彰布氏が「パドレスはメジャーで一番弱いチーム」という旨のコメントを残したのだ。
背景はこうだ。昨年7月上旬から阪神でホームランを打った選手にダグアウトでメダルを授与するパフォーマンスが始まった。通称「虎メダル」「虎ネックレス」と呼ばれるもので、チーム一丸ムードを盛り上げるのに一役買っていた。
この「虎メダル」は、阪神オリジナルのものではなく、サンディエゴ・パドレスが昨年6月から始めた「スワッグチェーン」に由来している。金ピカの巨大な球団ロゴをあしらったそれは、鮮烈なインパクトもあって現地で話題になり、パドレスのチームストアでも人気商品になった。ちなみに、さすがアメリカらしく重量もメジャーサイズで、パドレスに所属するダルビッシュ有は重くてビックリしたという。
選手からの人気も高かったこの虎メダルは、今季も引き続き採用される見込みだ。さらに今季の阪神はビジターユニホームも、パドレスそっくりの「グレー×ストライプ×イエロー」に変更。5日の紅白戦で藤浪晋太郎から本塁打を放った佐藤輝明は、「みんなから好評なのでうれしいです。ちょっとパドレスっぽくていいと思います」と語っていた。
【動画】阪神が真似した"本家"パドレスのメダルがこれだ! そうしたなかで、飛び出したのが、先の岡田氏の発言だ。「虎メダル」について訊かれた同氏は「パドレスの真似やろ? メジャーで一番弱いチームの真似してどうすんねん」と一言。さらに、そもそも「虎メダル」などなくてもベンチは盛り上がるのだから特にやる必要はないとのコメントも残している。
メダルの是非はともかく、問題は「パドレスがメジャーで一番弱い」という発言が事実とは程遠いということだ。昨シーズン、パドレスは79勝83敗でナ・リーグ西地区3位。期待外れだったのは確かだが、ナ・リーグには単純にパドレスより勝率が低いチームが7つ、ア・リーグにも6つもある。
しかも、20年には14年ぶりのプレーオフ進出を果たしている。MLBを代表する若手のフェルナンド・タティースJr.や年俸30億円を超えるマニー・マチャド、18年サイ・ヤング賞投手のブレイク・スネル、そして日本が誇るダルビッシュも所属し、昨季開幕前は「球界最高級のチーム」とさえ呼ばれていた。
たしかに19年まで9年連続で負け越しなど、一般的に強いイメージがないチームであることは事実だ。歴史的に見ても、50年以上の歴史でワールドシリーズ進出は2度のみ、世界一はいまだゼロ回。岡田氏が「弱い」という印象を抱いているのは、これが原因かもしれない。
だが、少なくとも今のパドレスは決して弱くない。2022年も、プレーオフ有力候補の一つだ。はたして、パドレスに所属するダルビッシュがこの言葉を聞いて、どう思うか気になるところだ。
構成●THE DIGEST編集部
背景はこうだ。昨年7月上旬から阪神でホームランを打った選手にダグアウトでメダルを授与するパフォーマンスが始まった。通称「虎メダル」「虎ネックレス」と呼ばれるもので、チーム一丸ムードを盛り上げるのに一役買っていた。
この「虎メダル」は、阪神オリジナルのものではなく、サンディエゴ・パドレスが昨年6月から始めた「スワッグチェーン」に由来している。金ピカの巨大な球団ロゴをあしらったそれは、鮮烈なインパクトもあって現地で話題になり、パドレスのチームストアでも人気商品になった。ちなみに、さすがアメリカらしく重量もメジャーサイズで、パドレスに所属するダルビッシュ有は重くてビックリしたという。
選手からの人気も高かったこの虎メダルは、今季も引き続き採用される見込みだ。さらに今季の阪神はビジターユニホームも、パドレスそっくりの「グレー×ストライプ×イエロー」に変更。5日の紅白戦で藤浪晋太郎から本塁打を放った佐藤輝明は、「みんなから好評なのでうれしいです。ちょっとパドレスっぽくていいと思います」と語っていた。
【動画】阪神が真似した"本家"パドレスのメダルがこれだ! そうしたなかで、飛び出したのが、先の岡田氏の発言だ。「虎メダル」について訊かれた同氏は「パドレスの真似やろ? メジャーで一番弱いチームの真似してどうすんねん」と一言。さらに、そもそも「虎メダル」などなくてもベンチは盛り上がるのだから特にやる必要はないとのコメントも残している。
メダルの是非はともかく、問題は「パドレスがメジャーで一番弱い」という発言が事実とは程遠いということだ。昨シーズン、パドレスは79勝83敗でナ・リーグ西地区3位。期待外れだったのは確かだが、ナ・リーグには単純にパドレスより勝率が低いチームが7つ、ア・リーグにも6つもある。
しかも、20年には14年ぶりのプレーオフ進出を果たしている。MLBを代表する若手のフェルナンド・タティースJr.や年俸30億円を超えるマニー・マチャド、18年サイ・ヤング賞投手のブレイク・スネル、そして日本が誇るダルビッシュも所属し、昨季開幕前は「球界最高級のチーム」とさえ呼ばれていた。
たしかに19年まで9年連続で負け越しなど、一般的に強いイメージがないチームであることは事実だ。歴史的に見ても、50年以上の歴史でワールドシリーズ進出は2度のみ、世界一はいまだゼロ回。岡田氏が「弱い」という印象を抱いているのは、これが原因かもしれない。
だが、少なくとも今のパドレスは決して弱くない。2022年も、プレーオフ有力候補の一つだ。はたして、パドレスに所属するダルビッシュがこの言葉を聞いて、どう思うか気になるところだ。
構成●THE DIGEST編集部