今、それぞれのポジションで最強選手は一体誰なのか? 昨季の活躍やこれまでの実績などを基にトップ5までランク付けした。今回は右翼手編だ。
▼1位 柳田悠岐(ソフトバンク)
2021年成績:141試合 打率.300 28本塁打 80打点 6盗塁 OPS.929
▼2位 マーティン(ロッテ)
2021年成績:116試合 打率.233 27本塁打 75打点 4盗塁 OPS.925
▼3位 オースティン(DeNA)
2021年成績:107試合 打率.303 28本塁打 74打点 1盗塁 OPS1.006
▼4位 杉本裕太郎(オリックス)
2021年成績:134試合 打率.301 32本塁打 83打点 3盗塁 OPS.934
▼5位 松原聖弥(巨人)
2021年成績:135試合 打率.274 12本塁打 37打点 15盗塁 OPS.757
優秀な外国人選手が何人もいるポジションだが、1位は柳田以外にあり得ない。以前はセンターだったが、昨季は7月からライトでの起用が増え、先発出場試合数もセンター54試合、ライト72試合。藤本博史新監督も、ライトでの起用を明言している。
昨季は 打率がちょうど3割、本塁打も30本に届かずと例年ほどの勢いではなかったとは言え、OPS.929はリーグ3位と相変わらず高水準。メジャー移籍予定の鈴木誠也が抜けた現状では敵なしだ。
2、3位はマーティン、オースティンと元メジャーリーガーが並んだ。リーグ3位の27本塁打を放ったマーティンは、打率こそ.233と低いが70四球を選んで出塁率は.355。さらに強肩で9補殺を記録するなど、守備での貢献度も高い。オースティンは規定打席不足ながら28本塁打を放ち、OPS(出塁率+長打率)はタイトルを獲得した村上宗隆(ヤクルト)や岡本和真(巨人)より高かった。一時は首位打者の可能性もあったように、確実性ではマーティンを上回る。ただ故障が多く、来日2年間でまだ規定打席に到達したことがない。
急成長を遂げた杉本裕太郎(オリックス)も、系統としては外国人打者に近いものがある。32本塁打でタイトルを獲得し、打率も一昨年までは通算.224だったがリーグ3位の.301まで上昇した。打撃だけならもっと上位でもおかしくないが、強肩はともかく守備や走塁での貢献度はマイナスで、その点はマーティン、オースティンに一歩譲る。
杉本と対照的なタイプなのが松原聖弥(巨人)で、俊足を生かした広い守備範囲が武器。打撃でも、以前は典型的な俊足巧打タイプだったのが昨季は12本塁打を放つなど長打力でも進境を見せている。梶谷隆幸や新助っ人のポランコら、巨人の外野陣はライバルも多いが、その中でレギュラーを守れるかどうか注目される。
【惜しくも圏外だった選手たち】
ヤクルトのサンタナは、本塁打こそ19本とやや物足りない数字に終わったものの、OPSは.877の高水準で、日本シリーズでも2本塁打を放った。問題は、守備力が際立って低いことで、走塁も含めた総合力では松原を下回ると判断した。
佐藤輝明(阪神)は後半戦の大不振で印象を悪くしたが、24本塁打は新人としては十分な数字。オールスター前に20本塁打を量産した強打が戻れば、来年にはトップ3に食い込んでくる可能性も十分ある。
20年までの不振から脱してレギュラーへ返り咲いた岡島豪郎(楽天)は、8月中旬までは3割3分台の高打率で一時は首位打者争いにも参戦したが、その後は失速して.280に終わった。こちらも松原と同じように、西川遥輝の加入で外野陣の争いが激化。その中でレギュラーを死守できれば本物と言っていいだろう。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。
▼1位 柳田悠岐(ソフトバンク)
2021年成績:141試合 打率.300 28本塁打 80打点 6盗塁 OPS.929
▼2位 マーティン(ロッテ)
2021年成績:116試合 打率.233 27本塁打 75打点 4盗塁 OPS.925
▼3位 オースティン(DeNA)
2021年成績:107試合 打率.303 28本塁打 74打点 1盗塁 OPS1.006
▼4位 杉本裕太郎(オリックス)
2021年成績:134試合 打率.301 32本塁打 83打点 3盗塁 OPS.934
▼5位 松原聖弥(巨人)
2021年成績:135試合 打率.274 12本塁打 37打点 15盗塁 OPS.757
優秀な外国人選手が何人もいるポジションだが、1位は柳田以外にあり得ない。以前はセンターだったが、昨季は7月からライトでの起用が増え、先発出場試合数もセンター54試合、ライト72試合。藤本博史新監督も、ライトでの起用を明言している。
昨季は 打率がちょうど3割、本塁打も30本に届かずと例年ほどの勢いではなかったとは言え、OPS.929はリーグ3位と相変わらず高水準。メジャー移籍予定の鈴木誠也が抜けた現状では敵なしだ。
2、3位はマーティン、オースティンと元メジャーリーガーが並んだ。リーグ3位の27本塁打を放ったマーティンは、打率こそ.233と低いが70四球を選んで出塁率は.355。さらに強肩で9補殺を記録するなど、守備での貢献度も高い。オースティンは規定打席不足ながら28本塁打を放ち、OPS(出塁率+長打率)はタイトルを獲得した村上宗隆(ヤクルト)や岡本和真(巨人)より高かった。一時は首位打者の可能性もあったように、確実性ではマーティンを上回る。ただ故障が多く、来日2年間でまだ規定打席に到達したことがない。
急成長を遂げた杉本裕太郎(オリックス)も、系統としては外国人打者に近いものがある。32本塁打でタイトルを獲得し、打率も一昨年までは通算.224だったがリーグ3位の.301まで上昇した。打撃だけならもっと上位でもおかしくないが、強肩はともかく守備や走塁での貢献度はマイナスで、その点はマーティン、オースティンに一歩譲る。
杉本と対照的なタイプなのが松原聖弥(巨人)で、俊足を生かした広い守備範囲が武器。打撃でも、以前は典型的な俊足巧打タイプだったのが昨季は12本塁打を放つなど長打力でも進境を見せている。梶谷隆幸や新助っ人のポランコら、巨人の外野陣はライバルも多いが、その中でレギュラーを守れるかどうか注目される。
【惜しくも圏外だった選手たち】
ヤクルトのサンタナは、本塁打こそ19本とやや物足りない数字に終わったものの、OPSは.877の高水準で、日本シリーズでも2本塁打を放った。問題は、守備力が際立って低いことで、走塁も含めた総合力では松原を下回ると判断した。
佐藤輝明(阪神)は後半戦の大不振で印象を悪くしたが、24本塁打は新人としては十分な数字。オールスター前に20本塁打を量産した強打が戻れば、来年にはトップ3に食い込んでくる可能性も十分ある。
20年までの不振から脱してレギュラーへ返り咲いた岡島豪郎(楽天)は、8月中旬までは3割3分台の高打率で一時は首位打者争いにも参戦したが、その後は失速して.280に終わった。こちらも松原と同じように、西川遥輝の加入で外野陣の争いが激化。その中でレギュラーを死守できれば本物と言っていいだろう。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。