日本ハム・新庄剛志監督が2月8日、沖縄・宜野座で対外試合初采配を振るった。紅白戦同様、各選手の守備位置を大幅に入れ替えたスターティングメンバーで、古巣・阪神相手に6-2で勝利。見事、初陣を飾った。
初の対外試合でも"BIGBOSS流"は変わらない。まずはスタメン発表で驚かされる。前日には、三塁で特守を受けていた野村佑希が2番・左翼、外野手の万波中正が3番・三塁、同じく外野手の五十幡亮汰が4番・遊撃、二塁と遊撃がメインの細川凌平が5番・中堅、そして、主に左翼起用の王柏融が6番・一塁と、紅白戦で見せていた大胆な"内外野手シャッフル"を、対外試合でも実践してきた。
その"BIGBOSS流"シャッフル打線が、初回からたたみかけた。今シーズン先発転向を目指す阪神・及川雅貴から1番・杉谷拳士が初球を捉えて出塁。その後、二死満塁として6番・王が、押し出しを選んで1点を先制すると、続く7番・今川優馬が、甘く入ったストレートを持ち前の豪快なスイングで、レフト前へ運び2点適時打。日本ハムが一気に3点を先制した。
その後、1回裏に佐藤輝明の適時打、3回裏には大山悠輔のソロ本塁打で、阪神に1点差まで詰め寄られた日本ハムだが、5回には阪神2番手・浜地真澄から、万波、五十幡、細川の3連打で1点を追加。さらに6回には、代打・佐藤龍世がレフトへソロアーチ、9回には、途中出場の育成・難波侑平と、石井一成の連続二塁打でもう1点追加。先制、中押し、ダメ押し、と理想的な形で新庄監督に初勝利をもたらした。
目立ったのは攻撃だけではない。シャッフルした守備陣は2回裏には、江越大賀の放った左翼への大飛球を、不慣れな野村が体をいっぱいに伸ばしてキャッチ。さらには3回裏、近本光司が放ったライナーを遊撃に入った五十幡が華麗にジャンピングキャッチでアウトにするなど、去年まで守ってこなかったポジションでも、各選手は目一杯躍動していた。
また走塁面でも、セカンドへのスライディングの鋭さや、先の塁を陥れていたベースランニングは、前日に4時間近くも熱血指導していた、赤星憲広臨時コーチの教えを実践しているかのようにも見えた。
新庄BIGBOSSの最初の相手となった阪神・矢野燿大監督は試合後、スタンドのファンへ向けたインタビューの中で「ウチとしてはいいところが少なかったですが、逆に日本ハムかのプレーから学ぶというか、そういうことをウチもやっていきたいなと。いい練習試合になりました」と、素直に敵将の戦いぶりを評価していた。
この日は、新庄監督の初采配試合とあって、スタンドには他球団の関係者も多数来場。スタンドから熱視線を送っていた。あるパ・リーグの球団関係者は、チームの空気感の変化を感じ取っていた。
「みんな楽しそうにプレーしているというのは感じました。去年から声は出ていたが、いきいきとしている感じ。若い選手たちが元気にプレーしていましたね」
別の関係者は、技術面での変化を指摘した。
「走塁の部分での意識。ワンバウンド投球のときのランナーの反応など、詳しいところまではわからないが、ベンチからの声を聞いていると意識は高まっている。他にも、シートノックから、守備・送球をきっちりやっているように見えた。五十幡はショートを守れるんだとも思いましたし、いろいろ試してやっているのだと思いますが、不気味さを感じますね」
始まってみるまで、何が飛び出すかわからないのが"BIGBOSS流"。次戦は11日、今度はホームのタピックスタジアム名護で、再び阪神を迎え打つが、今度はどんなサプライズを見せてくれるのか。新庄劇場、期待せずにはいられない。
文●岩国誠
初の対外試合でも"BIGBOSS流"は変わらない。まずはスタメン発表で驚かされる。前日には、三塁で特守を受けていた野村佑希が2番・左翼、外野手の万波中正が3番・三塁、同じく外野手の五十幡亮汰が4番・遊撃、二塁と遊撃がメインの細川凌平が5番・中堅、そして、主に左翼起用の王柏融が6番・一塁と、紅白戦で見せていた大胆な"内外野手シャッフル"を、対外試合でも実践してきた。
その"BIGBOSS流"シャッフル打線が、初回からたたみかけた。今シーズン先発転向を目指す阪神・及川雅貴から1番・杉谷拳士が初球を捉えて出塁。その後、二死満塁として6番・王が、押し出しを選んで1点を先制すると、続く7番・今川優馬が、甘く入ったストレートを持ち前の豪快なスイングで、レフト前へ運び2点適時打。日本ハムが一気に3点を先制した。
その後、1回裏に佐藤輝明の適時打、3回裏には大山悠輔のソロ本塁打で、阪神に1点差まで詰め寄られた日本ハムだが、5回には阪神2番手・浜地真澄から、万波、五十幡、細川の3連打で1点を追加。さらに6回には、代打・佐藤龍世がレフトへソロアーチ、9回には、途中出場の育成・難波侑平と、石井一成の連続二塁打でもう1点追加。先制、中押し、ダメ押し、と理想的な形で新庄監督に初勝利をもたらした。
目立ったのは攻撃だけではない。シャッフルした守備陣は2回裏には、江越大賀の放った左翼への大飛球を、不慣れな野村が体をいっぱいに伸ばしてキャッチ。さらには3回裏、近本光司が放ったライナーを遊撃に入った五十幡が華麗にジャンピングキャッチでアウトにするなど、去年まで守ってこなかったポジションでも、各選手は目一杯躍動していた。
また走塁面でも、セカンドへのスライディングの鋭さや、先の塁を陥れていたベースランニングは、前日に4時間近くも熱血指導していた、赤星憲広臨時コーチの教えを実践しているかのようにも見えた。
新庄BIGBOSSの最初の相手となった阪神・矢野燿大監督は試合後、スタンドのファンへ向けたインタビューの中で「ウチとしてはいいところが少なかったですが、逆に日本ハムかのプレーから学ぶというか、そういうことをウチもやっていきたいなと。いい練習試合になりました」と、素直に敵将の戦いぶりを評価していた。
この日は、新庄監督の初采配試合とあって、スタンドには他球団の関係者も多数来場。スタンドから熱視線を送っていた。あるパ・リーグの球団関係者は、チームの空気感の変化を感じ取っていた。
「みんな楽しそうにプレーしているというのは感じました。去年から声は出ていたが、いきいきとしている感じ。若い選手たちが元気にプレーしていましたね」
別の関係者は、技術面での変化を指摘した。
「走塁の部分での意識。ワンバウンド投球のときのランナーの反応など、詳しいところまではわからないが、ベンチからの声を聞いていると意識は高まっている。他にも、シートノックから、守備・送球をきっちりやっているように見えた。五十幡はショートを守れるんだとも思いましたし、いろいろ試してやっているのだと思いますが、不気味さを感じますね」
始まってみるまで、何が飛び出すかわからないのが"BIGBOSS流"。次戦は11日、今度はホームのタピックスタジアム名護で、再び阪神を迎え打つが、今度はどんなサプライズを見せてくれるのか。新庄劇場、期待せずにはいられない。
文●岩国誠