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薬物汚染はエンジェルスだけじゃない!? “スキャッグス裁判”で明かされた球界の「闇」<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.02.16

19年に急逝したスキャッグス(右)。彼の死に、少なくない形で元スター選手のハービー(左)も関与していたことが判明した。(C)Getty Images

19年に急逝したスキャッグス(右)。彼の死に、少なくない形で元スター選手のハービー(左)も関与していたことが判明した。(C)Getty Images

 球界に衝撃が走った。現地2月15日、2019年7月に死去したエンジェルスの左腕投手、タイラー・スキャッグスの死因となった薬物をめぐる裁判が行なわれ、エンジェルスの、いや球界における薬物汚染の実態が垣間見えることになった。

 スキャッグスに麻薬性鎮痛薬のオピオイドなどを提供したとして告発されているのが、元球団広報部長だったエリック・ケイ。その真相を解明すべく、マット・ハービー、マイク・モリン、キャム・ベドロージャン、CJ・クロンの元エンジェルス選手たちが証言台に上がった。そして彼らの口から明かされたのが、いずれもケイから薬物の提供を受け、自ら使用していたという驚きの事実だった。

【動画】天国のスキャッグスへ! エンジェルスが他界した最初の試合でノーヒッター達成
 彼らが服用していた薬の一つは、オピオイドの一種で医師の処方が必要な「オキシコドン」。本来は鎮痛剤として使用されているが、半合成麻薬にも分類されており、選手たちは“リラックス”目的で摂取していたという。そして、「自分の知る限り、スキャッグスが薬を入手できた唯一の相手はケイだった」(クロン)、「スキャッグスから薬の入手先としてケイを紹介してもらった」(ベドロージャン)との証言も出ており、ケイが“黒幕”との見方が一層強くなった。

 メッツ時代の13年にオールスターで先発を務めた“ダークナイト”ことハービーは、以前からコカインを使用していたことも告白。さらに、スキャッグスにケイ以外から仕入れた薬物を提供したことも明かした上で、自身もスキャッグスの死因につながった「オキシコドン」を使っていたが死亡の一方を聞いて怖くなり、すぐに捨てたとも語っている。

 さらに、検察側からこうした薬物使用は球界では一般的なことなのか、について訊かれたハービーは「イエス」と明言。オピオイド汚染はエンジェルスに限った話ではないことを示唆しており、今後の展開が大きな注目を集めそうだ。

構成●SLUGGER編集部

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