新天地で"再生"を誓う助っ人が、日本での日々を振り返った。元広島のケビン・クロンだ。
28歳のスラッガーの日本行きが決まったのは、20年11月だった。2019年の3Aで打率.331、38本塁打、105打点というハイアベレージを残した長打力が期待されての契約だった。
【動画】パワーは凄かった! 東京ドームで放ったクロンのグランドスラム
196センチ、115キロの巨漢から球団に黄金期をもたらした助っ人ブラッド・エルドレッドを想起する声は絶えなかった。だが、彼は最後まで馴染めなかった。コロナ禍による調整の遅れはあったが、前半戦42試合で、打率.231、6本塁打、16打点とパッとせず。その後も苦手とされた外角攻めを全く攻略できずに、シーズン後半戦は二軍生活を余儀なくされ、わずか1年で退団した。
佐々岡真司監督が「いろんな面で直さないといけないところを直していかないと」とぼやいたクロン。しかし、本人にも思うところがあるようだ。昨年12月に韓国のSSGランダースと契約した大型助っ人は、地元メディア『NEWS Nate』などの取材で、日本で苦戦した理由について、こう語っている。
「来日前から自分を見失ってはいけないと思っていた。だけど、日本では球場につくと、何人もの人たちが『もっとこう変えろ』とか『こう直せ』って言ってくるんだ。それで僕は自分の良かった時の感覚を見失ってしまったんだ。自分が何者であるかを忘れてしまったというかね。異国の地で、相談相手もなく、1人で生きていくのは大変だったんだよ」
そのうえで、「もちろんコーチたちだけのせいではない。これは僕自身にも問題があったんだ。自分の考えをもっと守るべきだった」と語ったクロンは、韓国のスタイルに手ごたえを口にしている。
「今は自分がキャリアを通して成功していた時のスタイルを見つめ直しているよ。ここ(韓国)はコーチングがアメリカに似ているからね。日本では『こうしろ』『お前はここが違う』と言われ続けたが、韓国は選手と対話をして決めるんだ。強制的ではなく、あくまで提案として課題を指摘してくれるから、アメリカのように気楽にアプローチできるんだよ」
自分を見いだせずにたった1年で終わった日本時代。そこから捲土重来を期するクロンは、はたして韓国球界で成功を掴めるのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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28歳のスラッガーの日本行きが決まったのは、20年11月だった。2019年の3Aで打率.331、38本塁打、105打点というハイアベレージを残した長打力が期待されての契約だった。
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196センチ、115キロの巨漢から球団に黄金期をもたらした助っ人ブラッド・エルドレッドを想起する声は絶えなかった。だが、彼は最後まで馴染めなかった。コロナ禍による調整の遅れはあったが、前半戦42試合で、打率.231、6本塁打、16打点とパッとせず。その後も苦手とされた外角攻めを全く攻略できずに、シーズン後半戦は二軍生活を余儀なくされ、わずか1年で退団した。
佐々岡真司監督が「いろんな面で直さないといけないところを直していかないと」とぼやいたクロン。しかし、本人にも思うところがあるようだ。昨年12月に韓国のSSGランダースと契約した大型助っ人は、地元メディア『NEWS Nate』などの取材で、日本で苦戦した理由について、こう語っている。
「来日前から自分を見失ってはいけないと思っていた。だけど、日本では球場につくと、何人もの人たちが『もっとこう変えろ』とか『こう直せ』って言ってくるんだ。それで僕は自分の良かった時の感覚を見失ってしまったんだ。自分が何者であるかを忘れてしまったというかね。異国の地で、相談相手もなく、1人で生きていくのは大変だったんだよ」
そのうえで、「もちろんコーチたちだけのせいではない。これは僕自身にも問題があったんだ。自分の考えをもっと守るべきだった」と語ったクロンは、韓国のスタイルに手ごたえを口にしている。
「今は自分がキャリアを通して成功していた時のスタイルを見つめ直しているよ。ここ(韓国)はコーチングがアメリカに似ているからね。日本では『こうしろ』『お前はここが違う』と言われ続けたが、韓国は選手と対話をして決めるんだ。強制的ではなく、あくまで提案として課題を指摘してくれるから、アメリカのように気楽にアプローチできるんだよ」
自分を見いだせずにたった1年で終わった日本時代。そこから捲土重来を期するクロンは、はたして韓国球界で成功を掴めるのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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