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大谷翔平は「とんでもない偉業をやる」――。エンジェルスが38歳のベテラン捕手と新契約を結んだ背景は?

THE DIGEST編集部

2022.03.13

大谷(左)の快投を支えてきたスズキ(右)。経験豊富な彼とエンジェルスが新たな契約を締結した。(C)Getty Images

 MLBのロックアウト解除により、FA(フリーエージェント)選手たちの移籍動向が動き出している。5年ぶりの地区優勝を目指すエンジェルスは、ベテラン捕手との契約を更新した。
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 現地時間3月12日、エンジェルスは、昨シーズン終了後にFAとなっていたカート・スズキと1年175万ドル(約2億円)で再契約を締結した。

 現在38歳のスズキは、アスレティックスやナショナルズなどメジャー5球団を渡り歩き、通算1584試合に出場したベテラン捕手だ。もっとも、昨シーズンは正捕手だったわけではない。72試合に出場して、打率.224、6本塁打、16打点と打撃成績は鳴かず飛ばず。シーズン後半戦は、31歳のマックス・スタッシにマスクを譲った。

 今オフのFA市場に捕手が少なかった事情もある。だが、エンジェルスが新契約を締結した背景には、このベテラン戦士と、今季の開幕投手が有力視されている大谷翔平との相性があると見られている。昨シーズンは大谷が登板した23試合のうち、約7割となる16試合で先発マスクを被った。

 優れたブロッキング技術と卓越したリードで、偉才の女房役として奮闘したスズキ。そんな38歳を求めたのは、他でもない大谷だったという。エンジェルスの専門メディア『AngelsWin』は、「オオタニは昨年11月の時点で、球団にスズキと再契約できるかを尋ねていた。つまり今回の契約は、リーグMVPの幸せを保つためのものとなった」と伝えている。

 当のスズキも日本の至宝をリードする喜びを惜しまず口にしてきた。昨年4月のレンジャーズ戦で大谷が1072日ぶりの勝利を挙げた際には、「彼とのバッテリーは格別だよ」と高揚感を隠さなかった。

「いままで野球をしてきて、あんな選手は一度も見たことがない。間違いなく特別なアスリートであり、スペシャルなピッチャーだ。彼が投げるときは、いずれはノーヒッターか完全試合か、なにかとんでもない偉業を達成しても不思議ではない。本当にマスクを被るのが楽しいんだ」

 大谷とは、「彼がマウンド上で本当にやりたいことはなんなのかを常に理解して、同じ答えを導きだそうと心がけている」とも語っていたスズキ。そんな頼りになる古強者は、エンジェルス浮上のキーマンとなるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部
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