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MLB

大谷翔平がエンジェルスを“卒業”する日――ワールドチャンピオンを目指すならFA移籍は不可避?〈SLUGGER〉

久保田市郎(SLUGGER編集長)

2022.03.11

昨シーズンは二刀流の活躍で飛躍の1年となった大谷。しかし所属するエンジェルスは低迷が続き、6年連続で負け越している。(C)Getty Images

昨シーズンは二刀流の活躍で飛躍の1年となった大谷。しかし所属するエンジェルスは低迷が続き、6年連続で負け越している。(C)Getty Images

 昨年9月26日、マリナーズ戦に先発した大谷翔平(エンジェルス)は7回5安打1失点、10奪三振と好投しながら10勝目を逃した。7回表に同点に追いつかれた後の攻撃が無得点に終わると、大谷はダグアウトでバットを叩きつけ珍しく怒りを露わにした。

 試合の後の会見で、大谷は次のように語っている。

「ファンの人も好きですし、球団自体の雰囲気も好きではある。ただ、それ以上に勝ちたいという気持ちが強いですし、プレーヤーとしてはそれの方が正しいんじゃないかなと思ってます」

 もし、大谷が本当に「勝ちたい」のであれば、2023年オフにフリー・エージェントとなった時、新天地へ旅立つべきだ。

【動画】史上最強打者の呼び声も!2021年に大谷翔平が放った“全46本塁打”を一挙振り返り!

 エンジェルスが最後に勝ち越したのは15年。昨季も、大谷が二刀流で歴史的な活躍を見せたにもかかわらず77勝85敗で地区4位に低迷し、連続負け越しシーズンは6年に伸びた。この間、マイク・トラウトが16年と19年、そして大谷が21年にMVPを受賞しているが、勝利にはまったく結びついていない。ある意味で、チームとしての「機能不全度」は、パイレーツやオリオールズを上回っていると言っていいかもしれない。
 
 大谷の言葉を受けて、というわけではないかもしれないが、エンジェルスはこのオフ積極的に動いた。メッツからFAとなったノア・シンダーガードを1年2100万ドルで獲得すると、マイケル・ローレンゼンと1年675万ドル、ベテランリリーフ左腕のアーロン・ループと2年1700万ドルで契約。さらにはクローザーのライセル・イグレシアスを4年5800万ドルで引き留めた。

 これらの動きを見れば、ペリー・ミナシアンGMが本気で勝利を目指していること自体は疑いようがない。実際、ロックアウト突入時点での「オフの勝者」にエンジェルスを挙げるメディアもあった。
 
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