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大谷翔平を超える成績を残す!? 米専門サイトが予測する鈴木誠也の“ルーキーイヤー”。課題は「速球対策」にあり

THE DIGEST編集部

2022.03.20

鈴木(左)は日本で見せていた打撃をMLBでも見せつけられるのか。現地での期待は大谷のルーキーイヤーを凌駕するものとなっている。(C)Getty Images

 世界が熱視線を送った27歳のサムライが新天地に定めたのは、シカゴだった。

 現地時間3月16日、広島からのポスティングを宣言していた鈴木誠也が、シカゴ・カブスと5年8500万ドル(約100億3000万円)の契約を締結した。3月10日に99日間のロックアウトが終結したMLBで、かつてない勢いで"ストーブリーグ"が過熱するなかで、急転直下で争奪戦は決着した。
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 日本人野手史上最高となる契約金額に、全球団へのトレード拒否権や500万ドル(約5億9000万円)の出来高ボーナスも付帯する。まさしくメガオファーだ。それだけにカブスの熱意と期待の高さが窺い知れる。

 もっとも、高い期待値は当然と言えるかもしれない。昨シーズンにMLBで一大旋風を巻き起こした大谷翔平(ロサンジェルス・エンジェルス)と同世代の鈴木の日本球界での実績は、それほど確かなものがある。

 とりわけ打撃成績は圧巻の一語だ。通算では、打率.315、182本塁打、長打率.570、82盗塁と軒並みハイアベレージをマーク。これに加えて、守備面は、通算5度のゴールドグラブ賞獲得の実績を誇る。日本球界屈指の5ツールプレーヤーと言っていい。

 では、現地で鈴木はいかなる成績を残すと見られているのか。MLBのデータ専門サイト『Fan Graphs』は、独自のデータ予測システム「Steamer」で、栄えあるルーキーイヤーの成績を次のように算出している。

【主な打撃成績】
出場=130
打率=.286
本塁打=28
打点=84
得点=79
盗塁=9
OPS=.915
長打率=.528
ISO=.243
WAR=3.9

 日本時代に彼が残した成績を思えば、やや物足りないようにも見えなくもない。だが、名だたる剛腕投手たちと対峙するMLB、それも1年目においては、十分すぎるスタッツと言えるだろう。ちなみに一概に比較はできないが、ちなみに同世代のスターである大谷のルーキーイヤーの主な打撃成績は、打率.285、22本塁打、61打点、OPS.925。そのほとんどで鈴木が上回っている。

 目下、再建途上のチームにあって、打線の中軸を担う活躍が期待される鈴木。無論、課題は少なくない。MLBの公式ネットワーク番組『MLB Network』で解説を務める元モントリオール・オリオールズのビル・リプケン氏は、次のように指摘している。

「スズキは日本ですべてを成し遂げてきたと聞いているから、とても楽しみだ。彼に対しての一番の疑念は、アジャストするまでにどれだけ時間がかかるのか、だ。日本よりもアメリカのピッチャーの方が球速は上になるからね。スズキはメジャーのピッチャーのボールを毎日見ていたわけではない。だから日本で残してきた数字がどこまで変わるのか、それとも変わらないのかはとても興味がある」

 はたして、鈴木は名門復権の貴重なピースとなれるのか。実力派バットマンが、予想された未来を覆せるかに注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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