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大谷翔平は「最高の投手と言えない」。鉄人リプケンの弟が語ったサイ・ヤング賞獲得の可能性「MVPは5年は最有力だけど――」

THE DIGEST編集部

2022.04.01

投手としても確かな実績を残してきた大谷。今春のキャンプでも仕上がりは順調そのものだ。(C)Getty Images

投手としても確かな実績を残してきた大谷。今春のキャンプでも仕上がりは順調そのものだ。(C)Getty Images

 昨季に“リアル二刀流”でシーズンを完遂し、球界を席巻した大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)。メジャー挑戦5年目を迎えるサムライへの評価は、すこぶる高い。
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 当然の評価ではある。昨シーズンは史上19人目となる満場一致でのリーグMVPを受賞しただけでなく、DH部門でシルバースラッガー賞など46本塁打、OPS.965を放った打力が評価され、個人賞で11冠をマーク。文字通りタイトルを総なめにしたのだ。

 ベーブ・ルースが1918年に記録した「シーズン二けた勝利&二けた本塁打」には、わずかに1勝利だけ及ばなかった。だが、投打での図抜けた成績は、持ち前のポテンシャルを知らしめるには十分すぎるものだった。

 大谷は昨季と同じだけの成績を残せるのか――。MLBのシーズン開幕まで1週間となり、そんな話題が尽きないなかで興味深い見解を寄せたのが、90年代初頭にオリオールズで活躍し、あの“鉄人”カル・リプケンJr.の弟としても知られる元メジャーリーガーのビル・リプケン氏だ。

 これまでも大谷の一挙手一投足に注目し、あらゆる見解を示してきた同氏は、現地時間3月25日にMLBの公式ネットワークチャンネル『MLB Network』の番組「Hot Stove」に出演。そのなかで、司会のマット・バスガーシアン氏から「いまやオオタニは何でもできる。そんな彼はサイ・ヤング賞の候補になり得ますか」と問われた際に、次のように論じたのだ。

「MVPについては、投手として25登板、指名打者として.280、30本塁打を残せるなら、この先5年は最有力候補だ。攻守の両面で平均を上回れば、必然的にそうなると思う。だって、今の時点で他に同じことを出来る人間がいないからね

 じゃあ、彼がサイ・ヤング賞投手になれるか。その答えはシンプルに言えば、『イエス』だ。それに値するボールは投げているからね。ただ、問題は130イニングだけしか投げていない彼をなんの疑いもなく『ベストな投手だ』と言えるかってことだ」

 数多の歴史的な投手たちが手にしてきたサイ・ヤング賞は、まさに世界ナンバーワン投手にこそふさわしいものだ。ゆえに獲得は容易いものではない。リプケン氏はこうも続けている。

「オオタニの投げる球はたしかに世界最高になり得る。だが、それだけじゃダメなんだ。彼は十分なイニング数を消化できるかは分からない。攻守で平均以上の選手だからどんな年でもMVPレースは争えるだろうけど、毎年130イニングしか投げられないのなら、球界最高の投手だとは言えないと思う」

 ちなみに昨シーズンにサイ・ヤング賞を受賞したコービン・バーンズ(ミルウォーキー・ブリュワーズ=167イニング)とロビー・レイ(トロント・ブルージェイズ=193.1イニング)は、いずれも大谷の投球回数を大きく上回っている。

 もっとも、大谷がサイ・ヤング賞の獲得に固執するとは考えにくい。だが、彼が日本人初の快挙を成し遂げるのは、いかにイニング数を稼ぎ、勝利を手繰り寄せるかがカギとなりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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