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「真っすぐだけ。他のボールは対応できる」――“三冠王”落合博満がYouTubeで語った最強右腕・山本由伸の攻略法とは

THE DIGEST編集部

2022.04.05

並み居る名投手たちを打ち砕いてきた落合氏(右)。この球史に残る大打者は、当代屈指のエースである山本(左)をどう見ているのか。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)、産経新聞社

 日本球界屈指の剛腕は今年もすこぶる好調だ。オリックスの山本由伸である。

 プロ5年目の昨季は記録づくめの1年となった。怒涛の15連勝を含むシーズン18勝を挙げた山本は、18勝・6完投・勝率.783・206奪三振・防御率1.39はいずれもリーグトップ。史上8人目となる「投手5冠」を達成し、23歳の若さで名実ともに球界のエースにのし上がった。
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 迎えた今季もライバルを一切寄せ付けない圧巻のピッチングを披露している。ここまで2試合に先発して2勝をマークし、いずれも無失点。今月2日に行なわれた日本ハム戦では、151キロのフォークを投じ、敵将である"BIG BOSS"に「打てるか! 初めて見た」といわしめた。

 そんな山本を球史に残るレジェンドはどう見ているのか。興味深い見識を披露したのが、かつて中日ドラゴンズなどで活躍した落合博満氏だ。

 史上唯一の3度の三冠王という偉業をやってのけた大打者は、4月4日に更新した自身のYouTubeチャンネル「【公式】落合博満のオレ流チャンネル」のなかで、昨季の"無双状態"にあった山本について、「う~ん、やっぱり13連勝だか15連勝するだけ、それだけ力があったということなんだろうけども、果たしてそこまで各球団の打者をやり込めるだけのボールを放ってたかというと、ちょっと疑問符は付くという感じだね」と持論を展開した。

「24連勝した田中将大と同じような現象なのかもしれない。これが出てきたら我々はお手上げだよと精神的に思わせたというのもあるのかもわかんない。でも、なぜそこまでバッターっていうのは攻略法を考えなかったのかなっていうのは、ちょっと疑問点には思うんだよね」

 鋭い意見で当代屈指の右腕の現状を"オレ流分析"した落合氏。では、自身が山本と対峙した場合にいかに攻略するのか。「真っすぐだけ。俺が打者だったら彼の真っすぐ一本に絞る」とシンプルに言ってのけたレジェンドは、次のように続けた。

「その他のボールは対応できる。変化球っていうのは真っすぐの球速より遅いわけだよ。こっちの準備がちゃんとそれに対応できれば、どんな変化球が来たって対応できるはずなの。バッターが一番苦労するのは何かっていえば、そのピッチャーの真っすぐが、攻略するには一番難しい。力と力の勝負になっちゃうんでね。

 だから力負けしないようにって考えると、要するにスピードとの勝負だから。真っすぐに立ち遅れないような準備の仕方をして、あと変化球は右足の軸足にきちっと体重を乗っけて我慢できればそれで対応できる」

 数多の名投手たちとの勝負を勝ち抜いてきた百戦錬磨のスラッガーらしく、端的に指摘した。「今年の山本を攻略するっていうのはバッター次第だよ」とも強調した落合氏の金言は、山本に苦戦する現役バッターたちにとっても有益なものとなるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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