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ブルージェイズの加藤豪将はまだまだ苦難? メジャー再昇格も現地メディアは「ベンチピースになる」とシビアな指摘

THE DIGEST編集部

2022.04.16

プロ10年目にして悲願のMLBデビューを果たした加藤。はたして今季はどのような活躍が見られるのだろうか。(C)Getty Images

プロ10年目にして悲願のMLBデビューを果たした加藤。はたして今季はどのような活躍が見られるのだろうか。(C)Getty Images

 2022年にキャリアで初めてメジャーリーグの舞台に立った日本人ルーキーは、シカゴ・カブスで華々しいデビューを飾った鈴木誠也だけではない。開幕ロースターに名を連ねたもうひとりの新人が、トロント・ブルージェイズの加藤豪将だ。

 2013年6月に行なわれたメジャーリーグのドラフト会議でニューヨーク・ヤンキースに2巡目(全体66番目)で指名を受け、マイナー契約を結んだ加藤。以降は、昨年までマイアミ・マーリンズやサンディエゴ・パドレスの傘下チームを転々としながら、メジャー昇格を目指して懸命なプレーを続けてきた。

 近年ではMLBチームのスプリングトレーニングへの参加や、オープン戦への出場などアピールの機会も与えられていたなかで、ようやく努力が実を結んだ。ブルージェイズで今季の開幕とともに初のメジャー(40人枠)昇格、さらに28人の開幕ロースター入りを果たし、今季2戦目テキサス・レンジャーズ戦の8回、代走としてMLBデビューを迎えた。

 もちろん、NPBでの実績は無く、内・外野を守れるユーティリティー性が買われた格好ではある。連日のように活躍が報じられる「日本の4番」とは違い、目覚ましい打撃力を擁するわけではない。

 約9年のマイナー生活を送ってきた27歳にとって、MLBでの地位は確約されておらず、開幕直後にはすでにマイナー降格を言い渡されている。その後、主力の負傷もあり現地時間14日に再昇格を果たしたが、メジャーでは毎日が生き残りをかけた戦いを強いられているのだ。

 現地メディアの視線もシビアだ。ブルージェイズの情報を扱う『Jays Journal』では「ゴウスケ・カトウは負傷で戦列を離れたダニー・ジャンセンやテオスカー・ヘルナンデスの代役としてアクティブロースターに登録されているので、各選手が復帰すれば、AAAにオプションとして戻される可能性が高い」と、今後の見通しを述べている。
 
 また、米野球サイト『Pitcar List』では「カトウは万能なユーティリティ・タイプ」と複数ポジションをこなせるスキルを評しながらも、「彼はトロントのベンチピースとして1年を通してアップダウンを繰り返すはずだ」として、メジャー定着が難しいとの見解を示した。

 野手としてNPBを経験せずにMLBに辿り着くという、誰も成し得なかった夢を実現させた加藤。ここからの戦いも険しいものになるのは間違いないが、さらなるステップを刻んでいけるか。大いに注目したい。

構成●THE DIGEST編集部

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