開幕から８試合目にして、ようやく偉才のバットから快音が響いた。

　現地時間４月15日、ロサンジェルス・エンジェルスの大谷翔平は、敵地で行なわれたテキサス・レンジャーズ戦に「１番・DH」で先発出場。第１打席に今季31打席目にして第１号本塁打を放つと、第３打席には第２号アーチを打ち込んだ。
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　前日までに自己ワーストとなる開幕30打席ノーアーチに苦しんでいた大谷。一部ではスランプが指摘されるなど、なかなか調子が上がらない姿には周囲からも不安の声が集まっていた。

　しかし、大谷はたった１球でそうした不安を一掃した。初回の第１打席の初球、相手先発マット・ブッシュが投じた高めの95.9マイル（約154.3キロ）の４シームを豪快にフルスイング。高々と舞い上がった打球は、およそ6.7秒の滞空時間の末に右中間スタンドへ入った。
　今季第１号を叩き込んだ大谷は、完全に勢いに乗った。続く第２打席こそ三振に終わったが、チームが３対６と逆転された展開で巡ってきた第３打席に、相手３番手コルビー・アラードが投じた高めに浮いたカッターを強振。打った瞬間に本人が確信めいた表情で歩き出した一打は、自身キャリア７度目となる１試合２ホーマーとなった。

　前日の試合後会見で「ちょっとの軌道のズレなのかなと思う」と本人が語っていたなかで、見事な修正力が伺える２発だ。この天才プレーヤーからようやく飛び出したホームランは、現地メディアでも大きく取り扱われており、ドミニカの野球専門メディア『Record.com』は、「レンジャーズが獣を目覚めさせた」として、興奮気味に大谷のプレーを振り返っている。

「これでふたたびエンジェルスの天才は打ち出すのか。そしてMVP候補となるようなビッグシーズンを過ごせるのか。ファンは早くも2021年のような並外れたパフォーマンスを期待する声を上げている」

　明日もレンジャーズとの対戦を迎える大谷。やっと理想的な姿を見せつけられたカリスマの打棒から目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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