プロ野球

韓国は「ノーストレス!」。元広島助っ人クロンが改めて語った日本球界での“苦難”「日本よりも信頼されている」

THE DIGEST編集部

2022.04.26

広島時代には鳴かず飛ばずだったクロン。現在、韓国でプレーする彼が明かした日本との違いとは?(C)THE DIGEST

 NPBでのキャリアは、順風満帆とは行かなかった。ゆえに熟慮の末に選んだ韓国のスタイルに充実感を深めている。元広島のケビン・クロンだ。
【動画】韓国で打撃に変化? 元広島助っ人クロンの打撃シーンをチェック

 日本での生活はわずか1年で終わった。2019年の3Aで打率.331、38本塁打、105打点というハイアベレージを残した長打力が評価されて広島に入団したクロンだったが、コロナ禍による調整の遅れもあって低調なパフォーマンスに終始。苦しいシーズンの大半を二軍で過ごし、そのまま退団を余儀なくされた。

 佐々岡真司監督が「いろんな面で直さないといけないところを直していかないと」とぼやいたように、クロンは苦手だった外角攻めに全くと言っていいほど対応できず、打率.231、6本塁打、16打点という結果に終わった。多くの助っ人外国人がそうであるように、彼もまた多彩な変化球を駆使した日本球界特有の配球に苦戦を強いられたのだ。

 そんなクロンがキャリアを懸けて選んだのが、KBOリーグ(韓国)の名門SSGランダースだった。

 開幕しておよそ1か月が経過したいま、彼の主な打撃成績は打率.253、3本塁打、14打点、OPS.703、長打率.403とお世辞にも劇的な変化があるわけではない。だが、当人は「日本よりも信頼をされていると感じる」と語っている。

 現地時間4月25日に韓国の放送局『SBS News』などの取材に応じた29歳のスラッガーは、「日本ではストレスを感じることが多かった」とあらためて振り返った。

「日本だったら、今ごろの僕はバッティングフォームを変えられて、全く違うやり方を指示されていたかもしれないね。常に競争しなければならないこともストレスだった。でもKBOリーグの文化は、日本とは明らかに違う。よりアメリカに近いんだと感じている。だからこそ、『もっと頑張らないと』と思えている」

 さらに、日本との違いは何かと問われて「ノーストレス!」と冗談交じりに返したクロン。これには『SBS News』も「彼は日本での生活で、相当なストレスを抱えていたと窺える」と伝えるなど、異文化に対する言動がクローズアップされている。

 取材の最後には「周りのアドバイスのおかげでうまく対応はできていると思う。ちょっと立ち寄るような場所なんかにしたくない。僕は韓国で長く活躍できるようになりたいんだ」と強調したクロン。日本での失敗を糧にする29歳の今後を、興味深く見守りたいところだ。

構成●THE DIGEST編集部
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