専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

“柔と剛”でレッドソックスを牛耳った大谷翔平。MLB269発の主砲も「すべての球が予測不可能だった」と脱帽

THE DIGEST編集部

2022.05.06

今季最長となる7回を投げ切った大谷(左)。その快投を目の当たりにしたマルティネス(右)は、敵ながら賛辞を惜しまなかった。(C)Getty Images

今季最長となる7回を投げ切った大谷(左)。その快投を目の当たりにしたマルティネス(右)は、敵ながら賛辞を惜しまなかった。(C)Getty Images

 相手も脱帽する快投だった。

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間5月5日、敵地で行なわれたボストン・レッドソックス戦に「3番・投手」で先発出場。投げては7回6安打無失点、無四球11奪三振を記録すると、打っても4打数2安打1打点で今季3勝目を手にした。
【動画】ピンチで吠えた! 大谷翔平がレッドソックス打線を気迫で抑えた奪三振シーン

 元祖二刀流にして、“野球の神様”ベーブ・ルースが躍動した地で、日本が誇る天才は持てる圧倒的な才能を存分に発揮。全米中に「オオタニ」の名をあらためて知らしめた。

 とりわけ圧巻だったのは「投手・大谷」だ。「一人ひとり、どんどんゾーンの中で攻めていこうと思っていた」と語ったように、序盤からストライク先行の投球でレッドソックス打線を牛耳る。結局、ボールが2球以上続いたのは対戦打者28人中2度、3ボールになったのも一度だけと、無四球という結果をもたらした制球力が勝負を決めたと言ってもいい。

 無論、冴えたのはコマンド(制球)だけではない。4シームは平均球速97.2マイル(約156.3キロ)と球威が落ちず、ここ最近の投球の軸となっているスライダーと、“伝家の宝刀”スプリッターも切れ味抜群。奪った空振り数「29」は自己ベストを更新するとともに、今季のメジャー最高記録となった。

 まさに柔と剛を掛け合わせた大谷の投球は、対峙したレッドソックスのスラッガーたちをも唸らせた。試合後、ボストンの地元紙『MASS Live』などの取材に応じたJD.マルティネスは、「手強い投手だと改めて感じたよ。本当に脱帽するしかない」と語った。
「すべてのボールが予測不可能だったから対応は難しかった。速球も一部はツーシームで、他はカット気味に曲がっていたし、スライダーも内角スレスレをえぐるものもあれば、ベース上を横切っていくものもあった。スプリットだって、過去に数回見たものとは違う方向に動いたんだ。(捕手の)スタッシでさえも予想外のところに来たという感じだったと思う」

 オールスター戦に4度選出され、通算269本塁打を誇るマルティネス。だが、今日の大谷攻略は「誰が相手でも本当に難しいと思うね」と強調する。

「平均以上の球種がたくさんあって、どの球にも強烈に力がある。それでいて、どの球種もとても力を入れて投げてくる。変化するものもあれば、しないものもある。そして内角スレスレの球もある。試合中に見ていると、他の選手は(変化球が来ると)的を絞っていても、変化しなかった球もあった。あとバックアップ・スライダー(フロントドア)は、やっぱり球界屈指だ」

 敵軍のスラッガーをして、ここまで言わせてしまう大谷。この“二刀流の聖地”での躍動は、改めて彼の凄みを物語る一戦となった。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】「これはベーブ・ルースの再来だ」“聖地”で見せつけた大谷翔平の圧巻投球に米記者が再敬礼!「野球界の宇宙人」

【関連記事】「満場一致で最高の選手」大谷翔平と投げ合った42歳左腕が最敬礼! 「みんな感謝しているはず」

【関連記事】大谷翔平の打撃を落合博満が分析!「日本の球界なら直したがる」スイングを“伝説の三冠王”はどう見ているのか?
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号